- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 不動産 >
- 不動産市場・不動産市況 >
- オフィス・ホテル・物流市場では供給消化が好調維持の鍵-不動産クォータリー・レビュー2017年第1四半期
オフィス・ホテル・物流市場では供給消化が好調維持の鍵-不動産クォータリー・レビュー2017年第1四半期

加藤 えり子
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
3.不動産サブセクターの動向
オフィス市場では、東京都心部のAクラスオフィスの供給状況が賃料に影響を与えている。三幸エステートとニッセイ基礎研究所が共同で開発した成約賃料データに基づくオフィスレント・インデックス2によると、2017年第1四半期の東京都心部オフィス賃料は、Aクラスビルで33,398円/坪、前期比-1.1%、前年同期比-1.8%となった(図表-9)。東京Aクラスビル成約賃料は、2015年第3四半期をピークに緩やかな低下傾向が続いている。景況や企業業績は良好であるが、2018年に約140万㎡の新規供給が見込まれることから、テナント優位の状況が作り出されている。今後も賃料水準を維持するには、新規供給された貸床に見合った需要を喚起できるかが鍵となる。一方、Bクラスビル3の成約賃料インデックスは前期比+7.4%・前年同月比-1.1%、Cクラスは前期比+2.8%・前年同月比+2.0%となった(図表-9)。特にCクラスビルについては、Aクラスビルの供給増による影響が少なく、賃料回復に底堅さが見られる。しかしながら全クラスとも前回ピーク時の賃料水準にまでは到達していない。空室率については、Aクラスの反転上昇が顕著で、2016年第2四半期の2.63%を底に3四半期連続で上昇し、2017年第1四半期は3.9%となった。B・Cクラスは、低下が継続し賃料上昇を促した(図表-10)。
また、東京以外の主要都市では新規供給が抑制され、概して空室率の低下傾向が継続している(図表-11)。ただし横浜については自社ビルへの移転にともない、名古屋ではJR名古屋駅周辺での大規模オフィスビルの竣工などの影響で、空室率の上昇が見られた。
2 三幸エステート株式会社『オフィスレント・インデックス』 http://www.sanko-e.co.jp/data/rent-index/publish-2017
3 基準階面積200坪以上でAクラスに含まれないビル(築年数経過でAクラスの対象外となったビルを含む)。
(2017年05月08日「不動産投資レポート」)
加藤 えり子
加藤 えり子のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2017/06/19 | 「国際金融都市・東京」構想と不動産市場~日本版金融ビッグバンから東京版金融ビッグバンへ~ | 加藤 えり子 | 研究員の眼 |
2017/06/07 | オフィス・ホテル・物流市場では供給消化が好調維持の鍵ー不動産クォータリー・レビュー2017年第1四半期 | 加藤 えり子 | 基礎研マンスリー |
2017/05/08 | オフィス・ホテル・物流市場では供給消化が好調維持の鍵-不動産クォータリー・レビュー2017年第1四半期 | 加藤 えり子 | 不動産投資レポート |
2017/03/06 | 地方都市でオフィス需給逼迫、東京は大量供給?に見えるもの | 加藤 えり子 | 研究員の眼 |
新着記事
-
2025年05月01日
日本を米国車が走りまわる日-掃除機は「でかくてがさつ」から脱却- -
2025年05月01日
米個人所得・消費支出(25年3月)-個人消費(前月比)が上振れする一方、PCE価格指数(前月比)は総合、コアともに横這い -
2025年05月01日
米GDP(25年1-3月期)-前期比年率▲0.3%と22年1-3月期以来のマイナス、市場予想も下回る -
2025年05月01日
ユーロ圏GDP(2025年1-3月期)-前期比0.4%に加速 -
2025年04月30日
2025年1-3月期の実質GDP~前期比▲0.2%(年率▲0.9%)を予測~
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
【オフィス・ホテル・物流市場では供給消化が好調維持の鍵-不動産クォータリー・レビュー2017年第1四半期】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
オフィス・ホテル・物流市場では供給消化が好調維持の鍵-不動産クォータリー・レビュー2017年第1四半期のレポート Topへ