- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 金融・為替 >
- 金融市場・外国為替(通貨・相場) >
- 2017年原油相場の注目点と見通し~金融市場の動き(1月号)
2017年01月06日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
■要旨
- (トピック) 2017年の原油相場を左右する最大の材料となるのが、昨年終盤に合意されたOPEC加盟国と非加盟国による減産の遵守状況だ。「概ね守られている」との印象が打ち出せるかがポイントになる。同じく供給サイドでは、減産から除外されたリビアとナイジェリア、既に再稼働の動きがみられる米国の生産動向が注目される。需要サイドでは、牽引役であるインドと中国経済の動向が重要になる。需給以外ではドルの変動に注目。ドルと原油価格の関係は、通常逆相関になることが多い。また、リスクオフ(回避)にも注意が必要だ。市場がリスクオフ地合いになるとリスク資産である原油も売られやすくなるが今年はリスクオフに繋がりかねないイベントが多い。2017年原油相場のメインシナリオとしては、年序盤は上値の重い展開になりそうだ。産油国の減産が曲がりなりにも実行されることが買い圧力になるが、買い越しポジションが既に積み上がっているように、ある程度織り込み済みである。また、減産不参加国による増産により減産効果が一部相殺されること、価格上昇が米シェールなどの増産を促すことが意識されること、中国やインドの景気減速感が強まることも上値を抑制する。その後、春頃以降は上昇基調になり、レンジが切りあがると予想。5月末OPEC総会では減産延長が決まる可能性が高い。また、年半ばからは需給均衡が意識されることが原油価格を押し上げる。ただし、米シェールの増産加速への警戒から、60ドル台の定着には至らないと見ている。なお、特に減産合意の遵守状況とそれを受けた市場の反応は不確実性が高く、価格変動リスクも相応に高い。どちらかと言えば、上振れリスクの方が高いだろう。
- (金融市場) 目先は本日の米雇用統計次第だが、その後はトランプ期待が剥落、米決算でドル高の悪影響への懸念が強まることなどから、一旦ドル安に。金利もやや低下へ。
■目次
1.トピック:2017年原油相場の注目点と見通し
・供給サイド:合意遵守状況と除外国の動向
・需要サイド:中国・インド経済の動向
・金融市場の動向:ドルの変動とリスクオフ
・メインシナリオ
2.日銀金融政策(12月):円安容認姿勢が鮮明に
・(日銀)現状維持
3.金融市場(12月)の動きと当面の予想
・10年国債利回り
・ドル円レート
・ユーロドルレート
1.トピック:2017年原油相場の注目点と見通し
・供給サイド:合意遵守状況と除外国の動向
・需要サイド:中国・インド経済の動向
・金融市場の動向:ドルの変動とリスクオフ
・メインシナリオ
2.日銀金融政策(12月):円安容認姿勢が鮮明に
・(日銀)現状維持
3.金融市場(12月)の動きと当面の予想
・10年国債利回り
・ドル円レート
・ユーロドルレート
(2017年01月06日「Weekly エコノミスト・レター」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1870
経歴
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
上野 剛志のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/07/01 | 日銀短観(6月調査)~トランプ関税の悪影響は今のところ限定的だが、早期の利上げには直結せず | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/06/27 | 資金循環統計(25年1-3月期)~個人金融資産は2195兆円と伸びが大きく鈍化、家計のリスク資産投資は加速 | 上野 剛志 | 経済・金融フラッシュ |
2025/06/19 | 緊迫化する中東情勢、ドル円への影響は?~マーケット・カルテ7月号 | 上野 剛志 | 基礎研マンスリー |
2025/06/18 | 日銀短観(6月調査)予測~大企業製造業の業況判断DIは4ポイント低下の8と予想、設備投資計画も抑制的に | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
新着記事
-
2025年07月03日
ユーロ圏失業率(2025年5月)-失業率はやや上昇したが、依然低位安定 -
2025年07月03日
IAIGsの指定の公表に関する最近の状況(14)-19の国・地域からの60社全てのIAIGsのグループ名が公開された- -
2025年07月03日
BMIと体型に関する認識のズレ~年齢・性別による認識の違いと健康行動の関係 -
2025年07月03日
私的年金のカバレッジ拡大に向けて -
2025年07月03日
機関投資家はネイチャーポジティブにどう向き合っていくか?
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年07月01日
News Release
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
【2017年原油相場の注目点と見通し~金融市場の動き(1月号)】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
2017年原油相場の注目点と見通し~金融市場の動き(1月号)のレポート Topへ