- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 不動産 >
- 不動産市場・不動産市況 >
- 不動産価格サイクルの先行的指標(2016年)~大半の指標がピークアウトを示唆~
不動産価格サイクルの先行的指標(2016年)~大半の指標がピークアウトを示唆~
増宮 守
このレポートの関連カテゴリ
3.株価動向
このように、収益の変動性および投資市場の流動性の違いから、株価は不動産価格に先行して動き、また、J-REIT価格も投資市場の流動性の違いから不動産価格に先行して動く指標といえる。
(2)マイナス金利政策の影響
現在の株価をみると、TOPIXは2015年以降、明らかにピークアウトしており、J-REIT価格も頭打ちの状況といえる(図表-5)。ともに弱含みの株価とJ-REIT価格だが、両者を比べると直近の1年間はJ-REIT価格のアウトパフォームが顕著となっている。大幅上昇していた株価が反動で下落した面もあるが、マイナス金利政策の発表がJ-REIT価格を押し上げた部分も大きい。
マイナス金利政策が発表された1月29日、東証REIT指数は5.6%上昇し、TOPIXの2.8%を上回った。2月以降も安定的に推移し、東証REIT指数の上昇幅は、一時、マイナス金利政策の発表以降16%に達した(図表-7)。こうしたJ-REIT価格の上昇は、不動産投資市場への資金流入の増加や不動産価格のさらなる上昇を示唆するものとして注目を集めた。
このように、J-REIT価格の一時的な上昇は、必ずしも不動産投資市場への資金流入の増加3や不動産価格のさらなる上昇を示唆するものとはいえない。さらなる不動産価格の上昇には、株価上昇の裏付けが必要であり、グラフ(図表-5)でみる限り、再び株価が2015年上期の水準(TOPIX、1600ポイント)を回復するような展開が必要と思われる。
3 不動産投資市場とは異なるが、相続税の節税に有利な貸家の新設着工は顕著に増加している。
(2016年10月13日「不動産投資レポート」)
このレポートの関連カテゴリ
増宮 守
研究・専門分野
増宮 守のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2017/08/29 | 【アジア・新興国】アジアの保険会社による不動産投資の拡大も踊り場に~当面は中国政府の海外投資規制強化に注目~ | 増宮 守 | 保険・年金フォーカス |
2017/08/01 | 大丸有(大手町、丸の内、有楽町)の国際化にみる今後のエリア包括的開発への期待 | 増宮 守 | 研究員の眼 |
2017/05/01 | 豊洲市場がヒルズ化?ダイナミックに変貌する都心東側のソフト戦略に注目 | 増宮 守 | 研究員の眼 |
2017/03/14 | 海外資金による国内不動産取得動向(2016年)~アベノミクス開始以前の状況に後退~ | 増宮 守 | 基礎研レポート |
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2024年12月04日
日本の木造中古戸建て住宅価格の中央値は1,600万円(2023年)~アメリカは39万ドル余で日本の3倍以上だが、経年減価が米国並みになり為替も購買力平価に収斂すれば同程度に~ -
2024年12月04日
中国の社会保障財政(2023年) -
2024年12月04日
次期私的年金改革の方向性で大筋合意 -
2024年12月04日
東京の出生率はなぜ低いのか ――少子化をめぐる「都市伝説」 -
2024年12月04日
求められる非上場株式の流通活性化
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
【不動産価格サイクルの先行的指標(2016年)~大半の指標がピークアウトを示唆~】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
不動産価格サイクルの先行的指標(2016年)~大半の指標がピークアウトを示唆~のレポート Topへ