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- 【東南アジア経済】ASEANの製造業生産(8月号)~インドネシア・マレーシアは減速傾向に歯止めの動き
2016年08月12日
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分野別に見ると、全体の約3割を占める電子製品は同19.7%増(前月:同5.3%増)と好調の半導体に加えてデータ・ストレージも増加に転じ、一段と上昇した。また精密エンジニアリングは同4.3%増(前月:同1.6%減)と半導体関連の機械・システムの輸出増加を受けて15ヵ月ぶりのプラスに転じた。一方、同じく主力のバイオ医療は同10.2%減(前月:同13.4%増)と医薬品原料の需要減を受けて低下し、6ヵ月ぶりのマイナスとなった。また化学は同5.1%減(前月:同0.8%減)と石油化学工場のメンテナンスに伴う操業停止によって低下した。輸送エンジニアリングは同17.2%減(前月:同16.9%減)と、油田開発用リグの建造の減少を受けて船舶・海運を中心に減少した。

業種別に見ると、全20業種中10業種が前年同月比で上昇、10業種が低下した。石油製品が31.2%増(前月:同31.4%減)、ベースメタルが同76.9%増(前月:42.6%増)、輸送用機器が同39.8%増(前月:19.7%増)と大きく上昇した。また機械・設備(同34.0%増)は高い伸びが続き、化学製品(同4.1%増)は底堅く推移した。一方、全体の約2割を占める電気機械は同3.9%減(前月:同4.1%減)と低迷したほか、食品加工は同2.0%増(前月:16.1%増)と大きく低下した。
また6月の設備稼働率は83.5%と、前月(83.4%)から概ね横ばいとなった。

全体の7割を占める製造業の内訳を見ると、主力のコンピュータ・電子・光学機器(同19.6%増)をはじめ織物(同21.1%増)、アパレル(同9.5%増)、バイク(同12.9%増)など外国企業の投資が伸びている分野が堅調な伸びを続けるなか、干ばつの影響が和らいだ食品加工(同9.4%増)も平均を上回った
5月の製造業の出荷指数は同7.8%増と、これまでの二桁台の伸びに比べて鈍い動きが見られるなか、在庫指数は同9.2%増と小幅に上昇した結果、出荷・在庫バランス(出荷前年比-在庫前年比)は▲1.2%(前月:▲1.4%ポイント)ポイントと2ヵ月連続のマイナスとなった。
(2016年08月12日「経済・金融フラッシュ」)
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経歴
- 【職歴】
2008年 日本生命保険相互会社入社
2012年 ニッセイ基礎研究所へ
2014年 アジア新興国の経済調査を担当
2018年8月より現職
斉藤 誠のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
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