- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 不動産 >
- 不動産市場・不動産市況 >
- 急増する訪日外国人のホテル需要と消費支出-2014年の訪日外国人旅行者数は前年比+29%増、外国人延べ宿泊者数は同+34%増、消費額は同+43%増で2兆円を突破
急増する訪日外国人のホテル需要と消費支出-2014年の訪日外国人旅行者数は前年比+29%増、外国人延べ宿泊者数は同+34%増、消費額は同+43%増で2兆円を突破

竹内 一雅
このレポートの関連カテゴリ
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
日本百貨店協会によると百貨店における訪日外国人売上高(免税手続きベース売上高)も大幅な増加が続いている。
特に2014年4月の消費税率8%への引き上げ後、前年同月比での総売上高が10ヶ月連続でマイナスが続いていた一方、訪日外国人への販売額は、2014年10月より免税制度の拡充が図られた16こともあり、前年比で3倍増へと拡大をしている(図表-28)。2013年4月の訪日外国人売上高17は単月として過去最高の38億6千万円(総売上高の0.8%)だったが、2014年4月には60億9千万円(同1.5%)に、2015年4月には197億5千万円(同4.2%)に達している18。特に大都市の百貨店において、訪日外国人への売上高増加が顕著であるようだ。
16 新たに消耗品(化粧品、食料品等)が免税対象となるなど全品目が免税の対象となるとともに、免税手続きの簡素化などがなされた。
17 免税手続きベースの売上高。調査店舗数は月によって異なる。
18 全国百貨店協会によると、同時期の全国百貨店売上高総額は、2013年4月は4,767億円、2014年4月は4,172億円、2015年4月は4,722億円だった。
5――ホテル投資・ホテル数の推移および当面のホテル計画
最近の訪日外国人旅行者数の急増とホテル稼働率の上昇などから、国内ホテルへの投資が活発となっている。ジョーンズラングラサール(JLL)によると、2014年の国内ホテルの売買取引数はリーマンショック前のピークを超えて過去最高の101ホテルに達した19(図表-29)。一方、Real Capital Analytics(RCA)によると2014年のホテルの国内総取引額は30億ドルで、前年比▲10.6%の減少であった(図表-30)。市場に出てくる大規模な投資適格物件の少なさや、円安の影響などが取引数に比べ金額(ドルベース)での伸びが低かった理由のひとつと思われる。なお、海外資金の比率も25%とリーマンショック前の過半数に比べると低いままだった。
衛生行政報告によると2014年3月末時点のホテル数と旅館数の合計は53,172軒、客室数は156万2千室だった(図表-31左図)。近年、旅館の軒数および客室数が大きく減少しており、2009年にはじめてホテルの客室数が旅館の客室数を上回った。旅館軒数の大幅な減少により、ホテルと旅館の合計軒数も1986年以来減少を続けている。ただし、ホテルの一軒当たり客室数の多さから、ホテルと旅館の総客室数は1996年以降、155~159万室の範囲で横ばいが続いている(図表-31右図)。
19 グループ間取引を除く。取引金額では2007年や2013年を下回ったと推定。JLLニュースリリース(2015.2.5)より
(2016年07月12日「ニッセイ基礎研所報」)
このレポートの関連カテゴリ
竹内 一雅
竹内 一雅のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2017/12/07 | オフィス市場は好調継続。リート市場の低迷でJREITによる物件取得が減少。-不動産クォータリー・レビュー2017年第3四半期 | 竹内 一雅 | 基礎研マンスリー |
2017/11/09 | オフィス市場は好調継続。リート市場の低迷でJREITによる物件取得が減少。~不動産クォータリー・レビュー2017年第3四半期~ | 竹内 一雅 | 不動産投資レポート |
2017/11/08 | 東京都区部の若年人口-1970年~2015年に20~24歳人口は63%減 | 竹内 一雅 | 基礎研マンスリー |
2017/10/23 | 活況が続く大阪のオフィス市場-大規模ビルを中心に好調は梅田地区以外へ波及 | 竹内 一雅 |
新着記事
-
2025年06月24日
医療機関の経営危機、報酬改定と予算編成はどうなる?-物価・賃金上昇の影響は深刻、骨太方針の文言を読み解く -
2025年06月24日
欧州大手保険Gの内部モデルの適用状況について-2024年のSFCRからのリスクカテゴリ毎の標準式との差異説明の報告等- -
2025年06月24日
日本国債市場における寡占構造と制度的制約-金利上昇局面に見られる構造的脆弱性の考察 -
2025年06月24日
サイバー対処能力強化法の成立-能動的サイバー防御 -
2025年06月24日
今週のレポート・コラムまとめ【6/17-6/23発行分】
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
【急増する訪日外国人のホテル需要と消費支出-2014年の訪日外国人旅行者数は前年比+29%増、外国人延べ宿泊者数は同+34%増、消費額は同+43%増で2兆円を突破】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
急増する訪日外国人のホテル需要と消費支出-2014年の訪日外国人旅行者数は前年比+29%増、外国人延べ宿泊者数は同+34%増、消費額は同+43%増で2兆円を突破のレポート Topへ