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中国経済:景気指標の総点検と今後の注目点(2016年夏季号)~景気評価点は「低位」から「中位」に改善

三尾 幸吉郎
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- 中国経済を供給面から点検すると、4-5月の工業生産は前年同月比6.0%増と第1四半期(1-3月期)の前年同期比5.8%増を0.2ポイント上回る水準で推移しており、工業生産を見る限り第2四半期(4-6月期)の成長率は前四半期を上回る可能性がでてきた。但し、非製造業には陰りが見え始めており、第2四半期は非製造業が成長率の足かせとなりそうである。
- 次に、需要面を点検すると、4-5月の小売売上高は1-3月期の伸びを小幅に下回る水準で推移している。固定資産投資は、1-3月期は好調なスタートだったものの、4-5月には大きく伸びが鈍化、特に民間投資の落ち込みが顕著である(下左図)。輸出は1-3月期よりはマイナス幅を縮小したものの、世界経済の回復が緩やかと想定される中では大きな期待はできない。
- その他の重要指標を点検すると、電力消費量は第2次産業・第3次産業ともに前年を上回る伸びを回復した一方、道路貨物輸送量は前年を下回る伸びに留まっている。工業生産者出荷価格は、原油価格などの反転を受けてマイナス幅を縮小したが、耐久消費財はむしろ下落傾向を強めている。また、通貨供給量(M2)は政府見通しの「13%前後」を大きく下回ったが、中長期融資が伸びを高めていることから投資への影響は限定的と見ている(下右図)。
- 景気評価点を見ると、昨年12月から今年2月までは3-4点の「下位水準」で低迷、景気下振れ懸念が強かった。しかし、3月以降は5点前後の「中位水準」へ上昇、景気下振れ懸念は薄れた。そして、現在の景気は「中位水準」で一進一退を繰り返している。
- 今後の注目点としては、「4-6月期GDP(7/15公表)が前四半期を下回るか」、「落ち込みの目立つ民間投資の動向」、「新規輸出受注が回復してきた輸出の動向」の3点が挙げられる。
1.供給面から点検すると
・工業生産
・製造業PMI
・非製造業PMI(商務活動指数)
2.一方、需要面を点検すると
・小売売上高
・固定資産投資
・輸出
3.その他の景気指標を点検すると
・電力消費量
・貨物輸送量
・工業生産者出荷価格
・通貨供給量(M2)
4.景気評価点と今後の注目点
1|景気評価点の推移
2|今後の注目点
(2016年06月24日「Weekly エコノミスト・レター」)
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