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- 仙台オフィス市場の現況と見通し(2016年)
2016年02月23日
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■はじめに
仙台のオフィス市況は、動きが少なく安定した状況にある。2014年半ばまでの空室率の大幅改善の後、改善ペースが低下し空室率は横ばいに近いわずかな低下で推移している。ただし仙台市への転入超過数の縮小傾向は続いており、それに応じて賃貸面積の増加も2011年実績の約1/7にまで縮小している。本稿では、仙台オフィス市場の現況把握とともに2022年までの将来予測を行う。
■目次
1. はじめに
2. 仙台のオフィス空室率・賃料動向
3. 仙台のオフィス需給と地区別動向
4. 仙台の新規供給・人口見通し
5. 仙台のオフィス賃料見通し
6. おわりに
仙台のオフィス市況は、動きが少なく安定した状況にある。2014年半ばまでの空室率の大幅改善の後、改善ペースが低下し空室率は横ばいに近いわずかな低下で推移している。ただし仙台市への転入超過数の縮小傾向は続いており、それに応じて賃貸面積の増加も2011年実績の約1/7にまで縮小している。本稿では、仙台オフィス市場の現況把握とともに2022年までの将来予測を行う。
■目次
1. はじめに
2. 仙台のオフィス空室率・賃料動向
3. 仙台のオフィス需給と地区別動向
4. 仙台の新規供給・人口見通し
5. 仙台のオフィス賃料見通し
6. おわりに
1. はじめに
仙台のオフィス市況は、動きが少なく安定した状況にある。2014年半ばまでの空室率の大幅改善の後、改善ペースが低下し空室率は横ばいに近いわずかな低下で推移している。ただし仙台市への転入超過数の縮小傾向は続いており、それに応じて賃貸面積の増加も2011年実績の約1/7にまで縮小している。本稿では、仙台オフィス市場の現況把握とともに2022年までの将来予測を行う1。
1 2014年の見通し結果は竹内一雅「仙台オフィス市場の現況と見通し(2015年)」不動産投資レポート2015.2.20ニッセイ基礎研究所を参照のこと。
1 2014年の見通し結果は竹内一雅「仙台オフィス市場の現況と見通し(2015年)」不動産投資レポート2015.2.20ニッセイ基礎研究所を参照のこと。
2. 仙台のオフィス空室率・賃料動向
仙台のオフィス市況は東日本大震災以降、大幅な改善が続いてきた(図表-1)。三幸エステートによると、空室率は2011年2月の20.49%から2016年2月には10.09%まで半減した。ただし、最近は新築ビルの供給が少ないにも関わらず、2014年3月の10.74%以降、改善スピードは縮小し、その後は横ばいに近いわずかな低下での推移が続くなど、大きな動きは少なく安定した状況にある。
成約賃料(オフィスレント・インデックス)も2010年下期を底とした回復傾向にある(図表-2)。2014年下期~15年上期は2012年以来の低水準となったが、2015年下期には前年上期までのトレンドを回復し、月坪8千円台(共益費を除く)へと前年同期比で18.9%の大幅な上昇となった2。
成約賃料(オフィスレント・インデックス)も2010年下期を底とした回復傾向にある(図表-2)。2014年下期~15年上期は2012年以来の低水準となったが、2015年下期には前年上期までのトレンドを回復し、月坪8千円台(共益費を除く)へと前年同期比で18.9%の大幅な上昇となった2。
2 仙台では震災後、各年上期の成約賃料が高く下期はそれを常に下回るという特徴的な推移が続いていたが、2015年に初めてその傾向がくずれた。東日本大震災の集中復興期間が2015年度で終了することを前にして、震災後から続いてきた賃料の決定慣行などに変化が出てきたのかもしれない。
3 三鬼商事の定義による。仙台の主要5地区(駅前地区、一番町周辺地区、県庁・市役所周辺地区、駅東地区、周辺オフィス地区)からなる。
3. 仙台のオフィス需給と地区別動向
仙台の賃貸面積の増加を新築ビルと既存ビルに分けると、2015年は新築ビルの供給がなかったため、2013年と同様、全て既存ビルによる増加となった(図表-6)。
仙台ビジネス地区の地区別空室率は、駅前地区で7.16%と低く、一番町周辺地区、県庁・市役所周辺地区、周辺オフィス地区は10~11%、駅東地区は15%程度となっている(図表-7)。2015年の空室率は、駅前地区(▲2.6ポイント)と駅東地区(▲2.7ポイント)、県庁・市役所周辺地区(▲0.5ポイント)で低下がみられた。
仙台では駅前地区と一番町周辺地区に賃貸オフィスの約2/3が集積している(図表-8)。2015年に仙台ビジネス地区では賃貸面積は+2.9千坪増加したが、駅前地区(+2.3千坪)と駅東地区(2.2千坪)などで増加し、一番町周辺地区では▲1.4千坪の減少となった(図表-9)。空室面積は賃貸可能面積の減少もあり駅前地区(▲4.5千坪)と駅東地区(▲1.7千坪)、県庁・市役所周辺地区(▲0.2千坪)で減少し、一番町周辺地区(+1.4千坪)と周辺オフィス地区(+0.1千坪)で増加がみられた。
2015年は拡張移転や館内増床の一方、館内縮小、自社ビルへの移転、撤退などの動きもあったが、比較的規模は大きくなく、今後も現在の安定した均衡状況が続くかどうか、特に支店などのテナント動向に注意が必要と思われる。
仙台ビジネス地区の地区別空室率は、駅前地区で7.16%と低く、一番町周辺地区、県庁・市役所周辺地区、周辺オフィス地区は10~11%、駅東地区は15%程度となっている(図表-7)。2015年の空室率は、駅前地区(▲2.6ポイント)と駅東地区(▲2.7ポイント)、県庁・市役所周辺地区(▲0.5ポイント)で低下がみられた。
仙台では駅前地区と一番町周辺地区に賃貸オフィスの約2/3が集積している(図表-8)。2015年に仙台ビジネス地区では賃貸面積は+2.9千坪増加したが、駅前地区(+2.3千坪)と駅東地区(2.2千坪)などで増加し、一番町周辺地区では▲1.4千坪の減少となった(図表-9)。空室面積は賃貸可能面積の減少もあり駅前地区(▲4.5千坪)と駅東地区(▲1.7千坪)、県庁・市役所周辺地区(▲0.2千坪)で減少し、一番町周辺地区(+1.4千坪)と周辺オフィス地区(+0.1千坪)で増加がみられた。
2015年は拡張移転や館内増床の一方、館内縮小、自社ビルへの移転、撤退などの動きもあったが、比較的規模は大きくなく、今後も現在の安定した均衡状況が続くかどうか、特に支店などのテナント動向に注意が必要と思われる。
(2016年02月23日「不動産投資レポート」)
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