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■要旨
中国では、公的な診療サービスや保健・衛生対策にかかる「総医療費」が大幅に増加している。2013年は前年より2割増し、3兆元(およそ60兆円、GDPの5.6%)に達した。加えて、近年は公費負担が大きい都市の非就労者を対象とした医療保険の導入や、少子高齢化の急速な進展もあって、政府財政(公費)による負担が増加傾向にある。
先の胡錦濤体制下では、保険のカバー範囲や給付内容の拡充が進み、当然のことながら公費負担は膨らんだ。一方、現在の習体制下では、今後の制度の持続性を考え、公的な医療保険の守備範囲を小さくする取組みにも注力している。その代表例として、高額な医療費部分を民間保険でカバーする「大病医療保険」がある。
国は2014年に今後の保険事業の方向性として「民間保険を社会保障体系の重要な柱と位置づける」とし、大病医療保険の普及を後押ししている。その背景には、今後、現在の運営体制では公的医療保険制度の維持が困難である点が透けて見えるが、負担のみを民間に転嫁する状況が続けば、制度の持続性の確保は難しい。
(2015年01月20日「保険・年金フォーカス」)
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- 【職歴】
2005年 ニッセイ基礎研究所(2022年7月より現職)
(2023年 東京外国語大学大学院総合国際学研究科博士後期課程修了) 【社外委員等】
・日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
(2019~2020年度・2023年度~)
・生命保険経営学会 編集委員・海外ニュース委員
・千葉大学客員教授(2024年度~)
・千葉大学客員准教授(2023年度) 【加入団体等】
日本保険学会、社会政策学会、他
博士(学術)
片山 ゆきのレポート
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