- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 中国経済 >
- 中国経済の“新常態”とそれを揺るがす“4つの問題”
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
■要旨
1―中国経済は“新常態(ニューノーマル)”へ
中国経済の成長率は“高速”から“中高速”へ鈍化して7%台が続いている。成長率は鈍化したものの雇用情勢は悪化してないことから、“高速”への回帰は目指さず“中高速”を維持しつつ構造改革を進めようとしている。これを“新常態”と呼ぶようになってきた。
2―“新常態”へ移行した2つの背景
“新常態”へ移行した背景には、生産年齢人口の伸び鈍化とバブル化した経済の健全化という2つの側面がある。しかし、生産年齢人口の伸びが鈍化する中で、バブル化した経済を健全化しつつ、“中高速”成長を目指す前途には“4つの問題”が立ちはだかっている。
3―“新常態”を揺るがす“4つの問題”
“4つの問題”とは、“製造業の過剰設備問題”、“住宅バブルの問題”、“地方政府の過剰債務問題”、“シャドーバンキング問題”の4つである。いずれも難題ばかりで、その処理を怠ればバブル化が進んでしまう一方、急ぎ過ぎれば景気が失速してしまう恐れもある。
4―“4つの問題”の連動関係と今後の展望
この“4つの問題”は連鎖反応を起こすと悪循環に陥るという特徴があることから、アメとムチを使い分けるような柔軟な対応が必要になりそうだ。中国政府には“4つの問題”を個々に適切に処理しつつ、その連鎖反応にも留意した難しい舵取りが求められる。
(2014年09月22日「基礎研レポート」)
三尾 幸吉郎
三尾 幸吉郎のレポート
| 日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
|---|---|---|---|
| 2025/10/01 | 図表でみる世界の出生率-出生率が高い国・地域と低い国・地域、それぞれにどんな特徴があるのか? | 三尾 幸吉郎 | 基礎研レター |
| 2025/05/23 | 図表でみる世界の外為レート-世界各地の通貨をランキングすると、日本円はプラザ合意を上回るほどの割安で、人民元はさらに安い | 三尾 幸吉郎 | 基礎研レター |
| 2025/04/15 | 図表でみる世界の民主主義-日本の民主主義指数は上昇も、世界平均は低下。世界ではいったい何が起きているのか? | 三尾 幸吉郎 | 基礎研レター |
| 2024/12/16 | 図表でみる世界のGDP-日本が置かれている現状と世界のトレンド | 三尾 幸吉郎 | 基礎研レター |
新着記事
-
2025年10月24日
米連邦政府閉鎖と代替指標の動向-代替指標は労働市場減速とインフレ継続を示唆、FRBは政府統計を欠く中で難しい判断を迫られる -
2025年10月24日
企業年金の改定についての技術的なアドバイス(欧州)-EIOPAから欧州委員会への回答 -
2025年10月24日
消費者物価(全国25年9月)-コアCPI上昇率は拡大したが、先行きは鈍化へ -
2025年10月24日
保険業界が注目する“やせ薬”?-GLP-1は死亡率改善効果をもたらすのか -
2025年10月23日
御社のブランドは澄んでますか?-ブランド透明性が生みだす信頼とサステナビリティ開示のあり方(1)
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年07月01日
News Release
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
【中国経済の“新常態”とそれを揺るがす“4つの問題”】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
中国経済の“新常態”とそれを揺るがす“4つの問題”のレポート Topへ










