- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 米国経済 >
- 【米医療政策】オバマケアの米国経済への影響-ディスインフレ傾向が続く可能性も
2014年05月23日
【米医療政策】オバマケアの米国経済への影響-ディスインフレ傾向が続く可能性も
03-3512-1818
このレポートの関連カテゴリ
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
- 2014年1月からオバマケアが本格的に開始され、実質的な皆保険制度が導入された。これは、医療へのアクセス向上を通じた社会保障の充実が主な目的で、民主・共和両党が真っ向から対立する政策でもある。そのため、政治的な話題が焦点になりやすいが、経済動向を考える上でも重要である。財政負担の増加や医療価格の抑制を通じて成長率や物価に影響を及ぼす可能性がある。
- オバマケアの導入は、政府支出を増加させる。そのため、財政赤字を一定に保つのであれば、オバマケアの導入は、その他の景気刺激を狙った裁量的支出を実施する余地を縮小させる。しかし、オバマケア導入による裁量的支出の圧迫規模は比較的小さく、成長率への影響も限定的と言える。
- 個人消費の動向を見ると、足もとで医療サービス支出の拡大が顕著である。オバマケアで医療保険加入者が増え、医療にアクセスしやすくなったなどの理由が背景にあると見られる。一方、財への支出は伸び悩んでおり、医療支出が増加したことで、財への支出が抑制されている可能性が考えられる。ただし、寒波等の影響による一時的な減速の可能性もあり、消費行動が変化したのかを判断するには、今後の動向を見る必要がある。
- 最近は医療価格の伸び率が減速傾向にある。背景には、景気が悪化したという循環的要因だけでなく、オバマケアによる医療支出抑制などの構造的要因が存在していると考えられる。そのため、今後はこれまでよりも医療価格の上昇が抑制される可能性がある。
- PCE価格指数で見た医療のウェイトは大きく、かつては医療価格の上昇がインフレ率の上昇に寄与した面が少なくなかった。医療価格を除いたコアインフレ率は、ここ20年でFRBの長期目標である2%を超えたことが1度しかなく、今後、医療価格の上昇率が伸び悩めば、ディスインフレ傾向が続く可能性もある。この場合、FRBは緩和的な金融政策を過度に続けてバブル的な状況を発生させることなどに注意する必要がある。

(2014年05月23日「Weekly エコノミスト・レター」)
このレポートの関連カテゴリ
03-3512-1818
新着記事
-
2026年01月23日
2026年の消費~緩やかな改善傾向のもとで進む「使い方」と「選び方」の変化 -
2026年01月23日
米個人所得・消費支出(25年10、11月)-10月以降も堅調な個人消費を確認 -
2026年01月23日
消費者物価(全国25年12月)-コアCPI上昇率は26年2月に2%割れの公算 -
2026年01月22日
省庁再編から25年など節目の年に考える社会保障改革論議-スピーディーな意思決定や縦割り打破に成果、政策形成に歪みも -
2026年01月22日
米国における日系企業の団体医療保険活用状況調査結果
お知らせ
-
2025年12月16日
News Release
令和7年度 住宅ストック維持・向上促進事業「良質住宅ストック形成のための市場環境整備促進事業」に関するシンポジウムの開催
-
2025年12月01日
News Release
-
2025年12月01日
News Release
【【米医療政策】オバマケアの米国経済への影響-ディスインフレ傾向が続く可能性も】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
【米医療政策】オバマケアの米国経済への影響-ディスインフレ傾向が続く可能性ものレポート Topへ









