2014年03月07日

家計が直面する物価上昇率は2%、消費税率引き上げ後には4%台へ

経済研究部 経済調査部長 斎藤 太郎

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■要旨

2013年12月の消費者物価(生鮮食品を除く総合、以下コアCPI)は前年比1.3%となったが、家計が直面している物価上昇率はそれよりも高い。

市場の注目度が高いコアCPIには、家計が購入している生鮮食品が除かれている一方、家計が実際には支出していない持家の帰属家賃が含まれている。

家計が実際に購入している財・サービスを対象とした物価動向を見る上では、「持家の帰属家賃を除く総合」を見ることが適切だ。同指数はコアCPIよりも上昇ペースが速く、2013年11月には前年比2.0%まで上昇幅が拡大した。家計はすでに2%の物価上昇に直面していると言える。

名目賃金が伸び悩む中で物価上昇ペースが加速しているため、実質賃金が大きく低下しており、このことが家計の景況感の悪化をもたらしている。また、生活必需品の物価上昇率が相対的に高いことも家計の負担感を高めている。

コアCPIに占める消費税の課税品目割合は71%だが、持家の帰属家賃を除く総合では85%となる。このため、2014年4月からの消費税率引き上げによる押し上げ幅はコアCPIの2.0%に対して、持家の帰属家賃を除く総合では2.4%となる。家計が直面する物価上昇率は2014年4月以降には4%台となることが見込まれる。

(2014年03月07日「基礎研マンスリー」)

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経済研究部   経済調査部長

斎藤 太郎 (さいとう たろう)

研究・専門分野
日本経済、雇用

経歴
  • ・ 1992年:日本生命保険相互会社
    ・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
    ・ 2019年8月より現職

    ・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
    ・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
    ・ 2018年~ 統計委員会専門委員

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