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- 「統合思考」による発想の転換を!-「統合報告」に向けた非財務情報の重視と企業価値の創造-
<要旨>
- 昨年12月、IIRCが財務情報と非財務情報を経営レベルで関連付けて開示する「統合報告フレームワーク」を公表した。これを契機に、非財務情報を重視する企業経営の模索が始まる。企業価値の判断においても非財務情報の重要性が高まる。
- 統合報告書とは、様々な企業報告を形式的に一冊にすることではない。財務情報と非財務情報を戦略的かつ整合的に関係付けるのが本来の姿である。現在、多くの企業は両者を別々に開示 しており、中長期的な経営戦略や ESGの取組が、将来の業績や財務パフォーマンスにどのような影響を及ぼすのか分かりづらい。また、適切な投資の意思決定には財務情報だけでは不十分との指摘がある。
- しかし、いきなり統合報告書を作ることは難しく、 IIRCは統合報告書だけを求めている訳ではない。特に、中長期的な企業価値の創造のために「統合思考」を強調する。自社の個性を踏まえ、統合思考に基づく企業価値の創造を様々なアプローチで実践し、それを開示することが統合報告に他ならない。
- 統合報告書の世界的な動きに日本企業が対応するべく、経営戦略レベルでの発想の転換に不可欠な統合思考の醸成のための、四つのポイントを提案する。
(1)企業価値を高める“プロセス”としての経営戦略の認識
(2)企業価値の創造と毀損回避の両面からのアプローチ
(3)IR部門とCSR部門の連携を中心とする組織再編
(4)経営戦略における重要事項を表すKPI(主要業務評価指標)の活用
(2014年02月25日「ニッセイ景況アンケート」)
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川村 雅彦
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