- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 金融・為替 >
- 金融市場・外国為替(通貨・相場) >
- ドル円の低空飛行はやむなし~マーケット・カルテ3月号
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
1月下旬以降、市場の地合いは大きくリスクオフモードに傾いている。中国の理財商品のデフォルト懸念も含めた新興国不安、米経済指標の下振れ、日銀追加緩和期待の後退など、多くの材料がドル円を圧迫し、足元では101円台での推移となっている。
今後も3ヶ月という時間軸で考えると、ドル円の上値は重くなりそうだ。今後は寒波の影響剥落によって米景気への懸念が後退するとみられ、一旦はドル上昇局面が予想される。しかし、4月の消費増税後は国内景気下振れへの警戒からデフレ脱却期待が後退し、株安を通じたリスク回避の円買い戻しが予想される。新興国不安についても背景には構造問題があり、蒸し返される可能性がある。これらによって円高圧力が高まり、3ヶ月後は現状比横ばい圏内に留まると予想する。
ユーロの対ドルレートは米経済指標の下振れやユーロ圏の景気回復などから最近強含んでいる。一方、今後はドル高圧力の回復やECBの追加緩和期待によってユーロがやや弱含むと見る。対円でも現状よりもやや円高ユーロ安になると見ている。
本邦長期金利はリスクオフの流れを受けて0.6%近辺に低下している。今後は米金利上昇が上昇圧力となるが、日銀の国債買い入れがその影響を抑制するだろう。消費増税後の景気下振れも金利上昇を阻害する。絶対水準の観点から大きく下がることもないが、上昇トレンドは出にくく、3ヶ月内に0.8%を突破するイメージは無い。
(執筆時点:2014/2/17)
(2014年02月17日「基礎研マンスリー」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1870
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
上野 剛志のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/04/18 | トランプ関税発の円高は止まるか?~マーケット・カルテ5月号 | 上野 剛志 | 基礎研マンスリー |
2025/04/11 | 貸出・マネタリー統計(25年3月)~貸出金利は上昇中だが、貸出残高は増勢を維持、現金・普通預金離れが進む | 上野 剛志 | 経済・金融フラッシュ |
2025/04/07 | トランプ関税と円相場の複雑な関係~今後の展開をどう見るか? | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/04/01 | 日銀短観(3月調査)~日銀の言う「オントラック」を裏付ける内容だが、トランプ関税の悪影響も混在 | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
新着記事
-
2025年04月30日
今週のレポート・コラムまとめ【4/22-4/28発行分】 -
2025年04月28日
リスクアバースの原因-やり直しがきかないとリスクはとれない -
2025年04月28日
欧州委、AppleとMetaに制裁金-Digital Market Act違反で -
2025年04月25日
世界人口の動向と生命保険マーケット-生保マーケットにおける「中国の米国超え」は実現するのか- -
2025年04月25日
年金や貯蓄性保険の可能性を引き出す方策の推進(欧州)-貯蓄投資同盟の構想とEIOPA会長の講演録などから
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
【ドル円の低空飛行はやむなし~マーケット・カルテ3月号】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
ドル円の低空飛行はやむなし~マーケット・カルテ3月号のレポート Topへ