- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 金融・為替 >
- 金融政策 >
- 日銀短観(12月調査)予測~大企業製造業の業況判断D.I.は2ポイント改善の14を予想
2013年12月09日
- 12月調査日銀短観では、注目度の高い大企業製造業で4四半期連続となる景況感改善が示されると予想する。大企業非製造業も緩やかな改善を予想。前回調査以降、輸出量の伸び悩みから国内生産の回復こそ緩やかに留まっているものの、高水準の公共工事や住宅投資、底堅い消費といった国内需要がけん引役となる形で全体として景気回復基調を維持している。また、前回調査時点から対ドル、対ユーロともに円安が進行していることも、企業の輸出採算にとって追い風となる。中小企業も製造業、非製造業ともに景況感の改善が予想される。業種別では、自動車、電機など輸出型製造業や鉄鋼、建設などを中心に幅広い改善が予想されるが、円安・原油価格上昇の悪影響を転嫁しにくい食料品や紙パ、運輸など輸入販売型業種の景況感は抑制的になるだろう。
- 先行きについても、米経済の堅調な回復が期待されるうえ、消費増税前の駆け込み需要がピークを迎えるため、全体的に明るさが示されそうだ。大・中堅企業では、新興国との関係が薄く、駆け込み需要の影響を受けやすい非製造業の改善幅が製造業を上回ると予想。
- 今回の最大の注目点は13年度設備投資計画だ。前回調査では前年度比3.3%増と、事前予想を下回る結果であった。また、GDP統計上の設備投資はほぼ横ばいに留まり、本格回復とは言い難い。一方、先行指標とされる機械受注に一部明るさが見える点は設備投資の上振れ期待を抱かせている。アベノミクス開始から約一年が経過し、内需回復や円安定着を受けて企業が慎重姿勢を修正し、上方修正が鮮明化するかが焦点となる。また、賃上げ交渉の山場を来春に控え、その原資となる13年度収益計画の動向も注目材料だ。
(2013年12月09日「Weekly エコノミスト・レター」)
このレポートの関連カテゴリ
03-3512-1870
経歴
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
上野 剛志のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2024/10/07 | 不透明感を増す利上げの行方~日銀金融政策のポイントと見通し | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
2024/10/01 | 日銀短観(9月調査)~景況感はほぼ横ばい、設備投資は堅調維持、日銀の見通しに概ね沿った内容に | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
2024/09/19 | 資金循環統計(24年4-6月期)~個人金融資産は前年比98兆円増の2212兆円と過去最高に、リスク性資産への投資が進む | 上野 剛志 | 経済・金融フラッシュ |
2024/09/18 | 日銀短観(9月調査)予測~大企業製造業の業況判断DIは1ポイント低下の12と予想、価格転嫁の勢いに注目 | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2024年10月11日
ふるさと納税の新たな懸念-ワンストップ特例利用増加で浮上する課題 -
2024年10月10日
米国のベンチャー業界におけるジェンダー問題への取り組み -
2024年10月10日
企業物価指数2024年9月~輸入物価は下落したが、国内企業物価は前月から伸び拡大~ -
2024年10月10日
日本の不妊治療動向2022-2022年の総治療周期数は543,630件と、前年より45,490件の増加、治療ピークは42歳で保険適用年齢の制限が影響か- -
2024年10月10日
実効性と成果が問われ始めた企業のサステナビリティ推進-稼ぐ力との両立を目指す「サステナブルマーケティング」とは
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
-
2024年02月19日
News Release
【日銀短観(12月調査)予測~大企業製造業の業況判断D.I.は2ポイント改善の14を予想】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
日銀短観(12月調査)予測~大企業製造業の業況判断D.I.は2ポイント改善の14を予想のレポート Topへ