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中国経済見通し~金融市場混乱で成長率はさらに鈍化も、李首相の政策スタンス変化で景気失速はない

三尾 幸吉郎
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- 中国では、4-6月期の実質経済成長率が前年同期比7.5%増と前四半期を下回るなど成長鈍化が続いている。雇用情勢や企業マインドは引き続き良好だが若干の陰りも見え始めた。李首相は経済成長率や就業水準の“下限”に言及、これまでの政策スタンスには変化の兆しがある。
- 輸出は、今年1-6月期に前年同期比10.4%増と昨年の伸びを上回っているが、“水増し”を勘案した実態はそれより悪い。今後も人民元高や製造業PMI(新規輸出受注)の低迷で大幅改善は見込みづらいが、来年には欧州経済が最悪期を脱することなどで回復に向かうだろう。
- 消費は、今年1-6月期の小売売上高が前年同期比12.7%増と昨年の伸びを下回るなど冴えない。腐敗汚職撲滅を目指す一連の動きは、短期的には消費にマイナスだが、長い目で見るとプラスで、今年の消費は停滞気味となるものの来年以降は徐々に増加ピッチを高めると予想する。
- 投資は、今年1-6月期の固定資産投資が前年同期比20.1%増と昨年の伸びを下回っている。今後は、消費流通関連や環境インフラ関連の伸びは高まるものの、過剰生産設備を抱える製造業や理財商品の健全化で不動産関連の投資が鈍ることから、減速傾向を強めると予想する。
- また、6月には短期金利が一時急上昇した。これは中国人民銀行が理財商品の健全な発展を促すため資金供給を見送ったことが原因と見られ、理財商品を通じて資金調達してきた地方政府のインフラ投資や不動産開発投資は、従来の想定よりも鈍化傾向を強めると思われる。
- 中国経済見通しは、2013年前年比7.5%増、2014年同7.6%増、2015年同7.2%増と予想。
(2013年07月26日「Weekly エコノミスト・レター」)
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