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- 緊急経済対策の効果と問題点
2013年01月11日
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- 本日(1/11)、政府は緊急経済対策を閣議決定した。今回の対策は規模が非常に大きいことに加え、即効性の高い公共事業に重点が置かれていることから一定の景気押し上げ効果は期待できるが、その一方で問題点も少なくない。
- ひとつは、タイミングの問題である。景気は2012年春をピークに後退局面入りしたと考えられるが、すでに底打ちした可能性もあり、財政出動によって景気悪化に歯止めをかける必要性は薄れている。
- 建設業の人手不足が深刻化していることや、年度末までの期間が非常に短いことから、大型の補正予算を年度末までに消化できるのかという問題もある。また、予算を消化するために執行を無理に急げば、無駄な支出が膨らむことが避けられないだろう。
- 公共事業のうち、老朽化した社会インフラの整備に重点を置いていることは評価できるが、補正予算では事業の選択が場当たり的なものとなりやすい。新規投資だけでなく維持補修・更新投資も中長期的なビジョンに基づいて行うべきで、これは本予算で腰をすえて行うべき課題である。
- 今回の経済対策によって2013年度の実質GDPは0.6%程度押し上げられると試算されるが、経済対策には弊害もあるため、本来は実施の是非から十分に議論することが重要と思われる。
(2013年01月11日「Weekly エコノミスト・レター」)
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03-3512-1836
経歴
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
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