2013年01月07日

2012~2014年度経済見通し~底入れを探る日本経済

経済研究部 経済調査部長 斎藤 太郎

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■introduction

日本経済は東日本大震災からの復興需要や政策効果に支えられて持ち直しの動きを続けてきたが、海外経済の減速を背景とした輸出の減少や個人消費の息切れなどから2012年春頃をピークに後退局面入りしている可能性が高い。実質GDPは2012年4-6月期に前期比年率▲0.1%と4四半期ぶりのマイナス成長となった後、7-9月期は輸出が大きく落ち込む中、個人消費、設備投資を中心に国内需要も6四半期ぶりの減少となったことから、同▲3.5%の大幅マイナス成長となった。10-12月期もマイナス成長が予想されるが、景気はすでに底入れの兆しが見られる。2013年1-3月期には中国をはじめとした海外経済の持ち直しに伴う輸出の増加を起点としてプラス成長に復帰する可能性が高く、今回の景気後退は比較的短期間で終了することが見込まれる。
2013年度は個人消費、住宅投資で消費税率引き上げ前の駆け込み需要が発生し、高めの成長が続くだろう。ただし、2014年度は駆け込み需要の反動減に物価上昇に伴う実質所得低下の影響が加わることから、マイナス成長となる可能性が高い。実質GDP成長率は2012年度が0.9%、2013年度が1.7%、2014年度が▲0.5%と予想する。




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経済研究部   経済調査部長

斎藤 太郎 (さいとう たろう)

研究・専門分野
日本経済、雇用

経歴
  • ・ 1992年:日本生命保険相互会社
    ・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
    ・ 2019年8月より現職

    ・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
    ・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
    ・ 2018年~ 統計委員会専門委員

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