- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 日本経済 >
- 景気ウォッチャー調査12年10月~現状判断DIは17ヵ月ぶりに40を下回る水準へ低下
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
■見出し
・現状判断DIは3ヶ月連続の低下
・先行き判断DIは6ヶ月連続の低下
■introduction
11月8日に内閣府から発表された2012年10月の景気ウォッチャー調査によると、景気の現状に対する判断DIは39.0となり、前月を2.2ポイント下回り3ヶ月連続の低下となった。景気の現状に対する判断DIが40.0を下回ったのは東日本大震災後の2011年5月以来であり、要因としては主に領土問題を巡る中国・韓国との緊迫した情勢に起因する経済活動への悪影響があるとみられる。
これは(1)「9月21日にエコカー補助金制度が終了し、その反動で自動車の販売台数が落ち込んでしまったこと」(2)「領土問題を巡る中国・韓国との緊迫した情勢に伴い、外国人観光客が減少し、両国向けの旅行者数も減少したこと」(3)「領土問題を巡る中国との緊迫した情勢を受け、中国との取引に悪影響が及んでいることに加え、世界経済の減速による輸出競争力の低下に伴い、製造業を中心に多くの企業の受注が悪化していること」(4)「10月に入ってからも暖かい日が続いたことで秋物商材の売れ行きが良くなかったこと」などが影響していると考えられる。
一方、景気の先行きに対する判断DIは41.7となり、前月を1.8ポイント下回り6ヶ月連続の低下となった。これは(1)「領土問題を巡る中国・韓国との緊迫した情勢に伴い、外国人観光客数の減少が今後も続くことが懸念されていること」(2)「復興増税や消費税増税の決定に伴い、家計所得への負担が増大し、消費マインドがさらに悪化することが懸念されていること」(3)「エコカー補助金が終了し、海外経済の低迷により輸出が減少している中、中国・韓国との緊迫した情勢が両国との取引に大きな悪影響を及ぼしていること」などが影響していると思われる。
2012年10月の調査では現状判断DI、先行き判断DI共に前月を下回り、現状判断DIは2011年5月以来17ヵ月ぶりに40を下回った。領土問題を巡る中国・韓国との緊迫した情勢に起因する経済活動への悪影響、欧州債務問題の不透明感と世界経済の減速に伴う輸出の減少、エコカー補助金終了後の自動車販売台数の反動減などを受け、景気は後退局面に入っていると考えられる。
(2012年11月09日「経済・金融フラッシュ」)
このレポートの関連カテゴリ
押久保 直也 (おしくぼ なおや)
研究・専門分野
日本経済、財政
押久保 直也のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2014/09/17 | ニッセイ景況アンケート調査結果-2014年度上期調査 | 押久保 直也 | ニッセイ景況アンケート |
2014/05/13 | 「男性不況」下の専業主婦願望~理想と現実のギャップ | 押久保 直也 | 研究員の眼 |
2014/03/12 | 企業物価指数(2014年2月)~8ヶ月ぶりに前年比1%台の上昇率へ縮小 | 押久保 直也 | 経済・金融フラッシュ |
2014/03/11 | 景気ウォッチャー調査14年2月~消費税増税懸念から先行き判断DIは大幅な低下 | 押久保 直也 | 経済・金融フラッシュ |
新着記事
-
2025年03月19日
日銀短観(3月調査)予測~大企業製造業の業況判断DIは2ポイント低下の12と予想、トランプ関税の影響度に注目 -
2025年03月19日
孤独・孤立対策の推進で必要な手立ては?-自治体は既存の資源や仕組みの活用を、多様な場づくりに向けて民間の役割も重要に -
2025年03月19日
マンションと大規模修繕(6)-中古マンション購入時には修繕・管理情報の確認・理解が大切に -
2025年03月19日
貿易統計25年2月-関税引き上げ前の駆け込みもあり、貿易収支(季節調整値)が黒字に -
2025年03月19日
米住宅着工・許可件数(25年2月)-着工件数(前月比)は悪天候から回復し、前月から大幅増加、市場予想も上回る
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
【景気ウォッチャー調査12年10月~現状判断DIは17ヵ月ぶりに40を下回る水準へ低下】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
景気ウォッチャー調査12年10月~現状判断DIは17ヵ月ぶりに40を下回る水準へ低下のレポート Topへ