2012年10月10日

日中対立と両国経済に与える影響~「日本から見た中国」と「中国から見た日本」の違いは?

三尾 幸吉郎

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■見出し

1――試練を迎えた日中関係
2――「日本から見た中国」と「中国から見た日本」
3――深化する日中経済の相互依存
4――日中国交正常化の原点回帰を

■introduction

国交正常化前の日中貿易は1971年に約9億ドルで日本の貿易全体に占める割合は0.002%、日本に入国した中国人の数は283人で全体に占める割合は0.05%と日中関係は冷え込んでいた。国交正常化後の日中関係は年々深まり、近年は日本の対中輸出(≒中国の輸入)が10年前と比べて約5倍、日本の輸入(≒中国の輸出)が約3倍に増加している(図表-1)。行き交う訪問者も右肩上がりで増加、訪中日本人は10年前と比べて1.5倍、訪日中国人は2.7倍と、人的交流も盛んになった(図表-2)。
日中国交正常化から40周年にあたる今年、日本が尖閣諸島の国有化を決めたことを契機に、9月には中国全土で反日デモが起きるなど日中対立が激化した。尖閣諸島を巡っては2010年9月にも中国漁船が日本の海上保安庁の巡視船に衝突するなど火種は燻っていたものの、今回は9月27日に北京の人民大会堂で開催予定だった40周年記念式典が事実上中止になるなど日中対立は深刻化している。日中対立の激化は今後の両国経済に大きな影響を与えるだけに、今後の行方が懸念されている。




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(2012年10月10日「基礎研レター」)

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