- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- >
- アセットアロケーション >
- 年金運用における枠組みの革新~日本の企業年金運用の常識は世界の非常識か~
■見出し
1―― はじめに
2―― 一般的な企業年金における運用の姿
3―― 日本の年金運用に見られる常識的な概念
4―― 日本の年金運用に求められる革新
■introduction
経済成長が鈍化し、資産運用による利回り獲得が容易でなくなっている現状に鑑みると、日本の年金運用の常識的な概念を改めて見直す必要はないか。本稿では、まず、日本の年金運用における代表的な常識とされる概念を取上げて検証する。具体的には、次の12の概念を紹介している。(1)政策アセットミックスの作成、(2)ロングオンリーの政策アセットミックス、(3)タイムホライズンの欠如、(4)資産クラスに対する過信、(5)ユニバースとベンチマークの混同、(6)ホームカントリーバイアス、(7)分散投資に対する誤解、(8)インデックス運用への過度の依存、(9)オルタナティブ投資への過信・依存、(10)証券化商品への投資に対するアレルギー、(11)デリバティブ商品の活用に対するアレルギー、(12)不十分な運用に要するコスト認識。常識の検証に際しては、これらの概念が世界の非常識になっていないか、また、年金の運用責任を十分果たしているかどうかといった視点から行っている。
少子高齢化が進む中で公的年金への期待には限界があり、企業年金に対する機能発揮のニーズは強い。予定利率の引下げは困難であるが、安定収益資産の確保によるインカム収益の獲得とリスク許容度を意識したリスク性資産への投資によって十分な利回りを確保し、制度の魅力を維持すべきである。なお、確定拠出年金の活用によって、企業の年金運用負担を減らすことは可能でも、十分な投資教育が必要であり、トータルで見た企業の負担を大きく減らすものではないことには、注意しておきたい。
(2012年09月26日「基礎研レポート」)
このレポートの関連カテゴリ
03-3512-1845
- 【職歴】
・1986年 日本生命保険相互会社入社
・1991年 ペンシルバニア大学ウォートンスクールMBA
・2004年 ニッセイアセットマネジメント株式会社に出向
・2008年 ニッセイ基礎研究所へ
・2021年より現職
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会検定会員
・日本ファイナンス学会
・証券経済学会
・日本金融学会
・日本経営財務研究学会
德島 勝幸のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2024/07/03 | 見直しを迫られる国内債券パッシブ運用 | 德島 勝幸 | ニッセイ年金ストラテジー |
2024/06/07 | アセットオーナー・プリンシプルへの期待-資産運用高度化の要 | 德島 勝幸 | 基礎研マンスリー |
2024/05/27 | アセットオーナー・プリンシプルへの期待-資産運用高度化の要 | 德島 勝幸 | 研究員の眼 |
2023/07/05 | 公的年金の「100年安心」は制度について | 德島 勝幸 | ニッセイ年金ストラテジー |
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2024年11月15日
QE速報:7-9月期の実質GDPは前期比0.2%(年率0.9%)-消費主導で2四半期連続のプラス成長 -
2024年11月14日
ロシアの物価状況(24年10月)-前年比伸び率は3か月連続で低下 -
2024年11月14日
中国「国10条3.0」-中国保険市場の成長指針 -
2024年11月13日
インド消費者物価(24年10月)~大雨による作物被害と食用油の国際価格上昇により昨年8月以来の高水準に -
2024年11月13日
英国雇用関連統計(24年10月)-賃金上昇圧力は依然として根強い
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
-
2024年02月19日
News Release
【年金運用における枠組みの革新~日本の企業年金運用の常識は世界の非常識か~】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
年金運用における枠組みの革新~日本の企業年金運用の常識は世界の非常識か~のレポート Topへ