2012年08月21日

国際比較でみる中国経済:~世界経済における中国の立ち位置の変化と今後の方向性

三尾 幸吉郎

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■見出し

1――経済規模では世界第2位、豊かさではほぼ中央値
2――8つの「成長インフラ指標」の状況
3――インド、タイ、先進国との違い
4――結語

■introduction

日本が高度経済成長期を迎えていた1960年、中国経済は世界第4位に位置し、日本の約1.4倍の経済規模を誇っていた。その後の中国は共産党内部の権力闘争が絶えず、1966-77年には文化大革命が起こり、経済建設に関する路線対立も激化して経済の停滞が続き、1980年の世界順位は12位まで落ち込んだ。人口では日本の8.5倍にあたる10億弱を擁した中国が経済規模では日本の6分の1程度に留まった。その後も改革開放か計画経済かの対立は燻ったものの、改革開放の基本線は堅持されたため、中国経済は底から這い上がり、2010年には再び日本を抜き世界第2位の経済大国となった(図表-1)。
一方、経済的な豊かさを示す一人あたりGDPをみると(図表-2)、1980年の中国は193ドルと世界第142位(比較対象146ヵ国中)まで落ち込み、インドの270ドルも下回るレベルにあったが、その後の目覚しい経済発展で、2011年の中国は世界第84位(177ヵ国中)とほぼ中央値へと順位を上げ、1980-90年代前半に猛烈なスピードで世界順位を上げたタイに追いつき同レベルに達した。

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(2012年08月21日「基礎研レポート」)

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