2012年06月11日

5月マネー統計~積みあがってきた預金に変化

経済研究部 上席エコノミスト 上野 剛志

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■見出し

・貸出動向:伸び率は横ばいに
・マネタリーベース:3ヵ月ぶりに前年比プラス化
・マネーストック:積みあがってきた預金に変化

■introduction

日銀が発表した5月の貸出・資金吸収動向等によると、銀行総貸出(平残)の前年比伸び率は0.4%(前月も同様)と、前月から横ばいになった。業態別で見ても、地銀が前年比2.1%増、都銀等が同▲1.3%減と、それぞれ前月から変化は無かった(図表1~5)。
銀行貸出は堅調な推移を示しているものの、伸び率の改善には一服感が出てきている。

これまでの改善を後押ししてきた電力会社向け融資、M&A資金、復興関連需要の3本柱による寄与は今後とも期待されるため、銀行貸出は当面プラス圏を維持すると考えられる。ただし、5月以降の欧州危機再緊迫化は懸念材料。企業マインドが大きく悪化する事態になると、設備資金を中心とした資金需要にも悪影響を及ぼしかねない。

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経済研究部   上席エコノミスト

上野 剛志 (うえの つよし)

研究・専門分野
金融・為替、日本経済

経歴
  • ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
    ・ 2007年 日本経済研究センター派遣
    ・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
    ・ 2009年 ニッセイ基礎研究所

    ・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)

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