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- 韓国2012年1-3月期GDP:前期比+0.9%~回復しつつある経済だが、はたして持続可能か
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■見出し
・現状:持ち直しつつある経済
・今後:はたして持続可能か
■introduction
韓国銀行(中央銀行)は4月26日、2012年1-3月期の実質国内総生産(GDP)を公表した。前期比(季節調整済)では0.9%の増加となり、2011年10-12月期の+0.3%から成長率が加速したことが明らかになった(図表1)。
GDP成長率を需要項目別に見ると、1-3月期は10-12月期からほぼ全ての項目で前期比プラスとなった。内需については、個人消費が前期比+1.0%、設備投資が同+10.8%と10-12月期のマイナス成長(それぞれ個人消費が▲0.5%、設備投資が▲4.3%)から反転した。特に設備投資の増加が目立つが、これは半導体産業を中心に資本増強が見られたことによる。また、政府は政策を大企業重視から国民の生活安定に重点を移しており、政府支出も前期比+3.1%と10-12月期の▲0.8%からプラス成長に転じた。外需に関しても、10-12月期からは持ち直しつつある。自動車や石油化学製品の輸出が伸び、前期比+3.4%と10-12月期の▲2.3%から反転した。輸入が輸出の伸びを上回ったため、純輸出のGDP成長率への寄与はマイナスとなっているが、輸出の増加が見られたことは国内経済を促進させる要因であり、韓国経済にとって良い材料と言える。
供給項目別に見ると(図表2)、主要産業である製造業が前期比+2.2%とプラス成長に転じたことが成長の原動力であることが分かる。特に輸出が伸びた自動車産業や石油化学産業が成長に貢献した。
2012年1-3月期のGDP統計からは韓国経済に底打ちの兆しが見られたことが分かった。ただしトレンドを掴みやすい前年同期比(原系列)では2.8%の増加と、10-12月期の+3.3%からは低下しており、回復は穏やかなものにとどまっていると考えられる。
(2012年04月26日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1818
- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
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