2012年01月13日

12月マネー統計~貸出は底入れ感が鮮明に、紙幣残高は過去最高に

経済研究部 上席エコノミスト 上野 剛志

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■見出し

・貸出動向:前年比0.5%増
・マネタリーベース:紙幣の発行残高が過去最高に
・マネーストック:M2、M3は過去最高に

■introduction

日銀が発表した12月の貸出・資金吸収動向等によると、銀行総貸出(平残)の前年比伸び率は0.5%と前月の0.2%からプラス幅を拡大し、底入れ感が鮮明になってきている。前年比プラスは3ヶ月連続となる。
内訳では、地銀が前年比2.0%増(前月は1.9%増)、都銀等が同▲1.0%減(前月は▲1.4%減)と引き続き地銀が優勢だが、都銀等のマイナス幅縮小も顕著になっている。貸出先別(11月まで)で見ると、中小企業ではマイナスが続いているが、社債発行が困難となっている電力会社向け貸出増加などから大企業向けがプラス幅を拡大している(図表1~5)。
先行きについては、復興需要が貸出残高の増加要因として見込まれる一方、欧州危機や新興国経済減速等に伴う企業の設備投資マインド悪化が懸念材料となる。

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経済研究部   上席エコノミスト

上野 剛志 (うえの つよし)

研究・専門分野
金融・為替、日本経済

経歴
  • ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
    ・ 2007年 日本経済研究センター派遣
    ・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
    ・ 2009年 ニッセイ基礎研究所

    ・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)

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