- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 金融・為替 >
- 金融政策 >
- 金融市場の動き(12月号)~ユーロ安の背景を探る
2011年12月02日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
- (再び下落したユーロ) 円ユーロ相場の水準は歴史的に見てかなりのユーロ安となっている。円高ユーロ安の背景としては、中長期では経常収支とインフレ格差、短期的にはとりわけドイツ債の金利低下による日独金利差の縮小が挙げられる。当面の相場のカギを握るのは金利差となるが、ユーロ圏の実体経済は厳しい状況が続くとみられ、ECBの追加利下げ観測もあるため、ユーロの低位推移が予想される。また、「ユーロの枠組みへの信認」も重要なポイントだ。既に一部散見されるが、「ユーロ崩壊」シナリオを意識する空気が市場に蔓延すると、先行きの強い不確実性でユーロ離れが生じ、為替レートが底割れする可能性がある。
- (日米欧金融政策) 11月は日米の金融政策に変更はなかったが、危機の震源地である欧州のECBが利下げを実施した。各中銀とも下振れリスクに対する強い警戒感を示しており、今後も緩和的スタンスを継続、必要に応じて追加策を打つだろう。市場の見方としても、日米緩和の長期化、ユーロ圏の追加利下げを織り込んでいるようだ。
- (金融市場の動き) 11月の金融市場では、欧州問題を巡ってリスク回避姿勢が強まり、株価が下落、国内債券も当初上昇したが、下旬はドイツ債入札不調などを受けて下落に転じた。円ドル為替はほぼ横ばいとなった。今後の金融市場も欧州問題の動向をにらんでの一進一退が当面続きそうだ。
(2011年12月02日「Weekly エコノミスト・レター」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1870
経歴
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
上野 剛志のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/04/18 | トランプ関税発の円高は止まるか?~マーケット・カルテ5月号 | 上野 剛志 | 基礎研マンスリー |
2025/04/11 | 貸出・マネタリー統計(25年3月)~貸出金利は上昇中だが、貸出残高は増勢を維持、現金・普通預金離れが進む | 上野 剛志 | 経済・金融フラッシュ |
2025/04/07 | トランプ関税と円相場の複雑な関係~今後の展開をどう見るか? | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/04/01 | 日銀短観(3月調査)~日銀の言う「オントラック」を裏付ける内容だが、トランプ関税の悪影響も混在 | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
新着記事
-
2025年04月25日
世界人口の動向と生命保険マーケット-生保マーケットにおける「中国の米国超え」は実現するのか- -
2025年04月25日
年金や貯蓄性保険の可能性を引き出す方策の推進(欧州)-貯蓄投資同盟の構想とEIOPA会長の講演録などから -
2025年04月25日
「ほめ曜日」×ご褒美消費-消費の交差点(9) -
2025年04月25日
欧州大手保険グループの2024年の生命保険新契約業績-商品タイプ別・地域別の販売動向・収益性の状況- -
2025年04月25日
若手人材の心を動かす、企業の「社会貢献活動」とは(2)-「行動科学」で考える、パーパスと従業員の自発行動のつなぎ方
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
【金融市場の動き(12月号)~ユーロ安の背景を探る】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
金融市場の動き(12月号)~ユーロ安の背景を探るのレポート Topへ