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- 米3月ISM指数は、製造業・非製造業ともに下落
■見出し
・製造業指数は8ヵ月ぶり、非製造業指数は7ヵ月ぶりの下落に
・製造業各指数では、生産指数上昇も新規受注指数が低下:各指数別内訳の動向
・非製造業各指数では、事業活動が大幅下落
■introduction
企業のセンチメントを示すISM(米供給管理協会)指数は、3月製造業指数(PMI)が61.2と前月比▲0.2ポイント下落し、8ヵ月ぶりの下落となった。ただし、市場予想(61.1)は僅かに上回り、前月(61.4)が2004年5月以来の高水準を記録したことを考慮すると、依然、高水準にあるといえよう。
PMIは、金融危機後の2008年12月に33.3とリセッション後のボトムを記録した後、2009年8月には製造業の拡大・縮小の分かれ目となる50を回復、今回で50越え
は20ヵ月連続となる。なお、3月のPMIを除く10指数の動きを見ると、4指数が上昇、6指数が下落、最高値は価格指数の85.0、最低値は顧客在庫の39.5だった。
発表元のISMでは、過去のデータから見たPMIが示す経済全体の分かれ目(GDPのゼロ成長)は42.5であり、1-3月の平均(61.1)は実質GDPの年率6.5%に対応する水準としている。
一方、3月非製造業指数(NMI:注)は57.3と前月比▲2.4ポイント下落、前月(59.7)、市場予想(59.5)をともに下回った。前月比での下落は7ヵ月振りとなるが、非製造業の業況の分かれ目となる50 は、16 ヵ月連続で上回った。NMIは2008 年1月より非製造業指数の総合指数として発表開始され、金融危機直後の2008年11月に37.6へと急低下後、回復の動きを見せ、前月には59.7と発表開始後の最高値(試算値ベースでは2005年8月(61.3)以来の高水準)となっていた。(注:NMI(=Non-anufacturing Index) は、2008年1月より非製造業指数の総合指数として発表開始。事業活動、新規受注、雇用、入荷遅延の各指数の均等ウェイトで構成される。)
製造業(PMI)と非製造業(NMI)の水準を比較すると、2009年7月以降はPMI がNMIを上回って推移しており、製造業のセンチメントが先行して回復していることが窺われる。非製造業指数には住宅バブル崩壊や金融危機等の影響が大きい金融、不動産・建設、個人消費関連産業等が含まれる。一時は製造業に追いつくかに見えたが3月は再び乖離を広げた。3月はガソリン価格の上昇が個人消費関連産業に影響した可能性が指摘されている。
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土肥原 晋
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