- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 日本経済 >
- 雇用関連統計11年1月~雇用情勢の改善傾向が継続
■見出し
・失業率は前月から横ばいの4.9%
・有効求人倍率は2年ぶりの0.6倍台に
■introduction
総務省が3月1日に公表した労働力調査によると、11年1月の完全失業率は前月から横ばいの4.9%となった(共同通信集計・事前予想:4.9%、当社予想は5.0%)。
雇用者数は前年比0.3%(12月:同0.2%)と5ヵ月連続で増加し前月から若干伸びを高めたが、自営業主・家族従業者の減少幅が拡大したため、就業者数は前年比▲0.1%(12月:同0.1%)と小幅な減少となった。失業者数は309万人(前年比14万人の減少)となり、8ヵ月連続で前年の水準を下回った。
失業者の内訳を求職理由別(季節調整値)に見ると、雇用契約の満了や勤め先都合といった非自発的な離職による者が前月に比べ2万人減の122万人と4ヵ月連続で減少する一方、自発的な離職による者が前月に比べ2万人増の107万人となった。失業者全体に占める非自発的な離職による者の割合は、雇用情勢が最も厳しかった09年夏頃には45%を超えていたが、このところ低下傾向が続いており、11年1月には37.9%となった。雇用情勢は依然として厳しいが、失業の中身を見ると深刻度は若干緩和されていることがうかがえる。
なお、1月分の公表と同時に過去にさかのぼって失業率の季節調整替えが実施された。大幅な改定はなかったが、4.9%となっていた10年1、2月の失業率がそれぞれ5.1%、5.0%へと上方修正される一方、10年中の最悪となっていた10年6月の失業率が5.3%から5.2%へと下方修正された。また、09年7月の失業率が5.6%から5.5%へ下方修正されたため、過去最悪の失業率は02年6月、8月、03年4月、09年7月の5.5%となった。
雇用者数の内訳を産業別に見ると、製造業の雇用者数は前年に比べ▲23万人減(12月:▲29万人減)と3ヵ月連続で減少した。鉱工業生産はこのところ持ち直しの動きとなっているが、昨年夏場以降の低迷の影響がやや遅れて表れているものと考えられる。また、公共工事削減の影響などから建設業が前年に比べ▲19万人減(12月:▲21万人減)と12ヵ月連続で減少した。一方、卸売・小売業(22万人増)、医療・福祉(18万人増)などは比較的堅調な動きとなっている。
従業員規模別には、30人以上の規模では全て増加したが、1~29人の中小企業の雇用者数は前年に比べ▲19万人減(12月:同▲26万人減)と12ヵ月連続で減少しており、明るさが見え始めた大企業に比べ中小企業では依然厳しい状況が続いている。
このレポートの関連カテゴリ
03-3512-1836
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2024年04月19日
パワーカップル世帯の動向-2023年で40万世帯、10年で2倍へ増加、子育て世帯が6割 -
2024年04月19日
消費者物価(全国24年3月)-コアCPIは24年度半ばまで2%台後半の伸びが続く見通し -
2024年04月19日
ふるさと納税のデフォルト使途-ふるさと納税の使途は誰が選択しているのか? -
2024年04月18日
サイレントマジョリティ⇒MAGAで熱狂-米国大統領選挙でリベラルの逆サイレントマジョリティはあるか- -
2024年04月18日
「新築マンション価格指数」でみる東京23区のマンション市場動向【2023年】(1)~東京23区の新築マンション価格は前年比9%上昇。資産性を重視する傾向が強まり、都心は+13%上昇、タワーマンションは+12%上昇
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年04月02日
News Release
-
2024年02月19日
News Release
-
2023年07月03日
News Release
【雇用関連統計11年1月~雇用情勢の改善傾向が継続】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
雇用関連統計11年1月~雇用情勢の改善傾向が継続のレポート Topへ