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- 雇用関連統計10年11月~労働需給は改善が続くが、失業率は高止まり
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■見出し
・失業率は前月から横ばいの5.1%
・有効求人倍率は緩やかな改善が続く
■introduction
総務省が12月28日に公表した労働力調査によると、11月の完全失業率は前月から横ばいの5.1%となった(共同通信集計・事前予想:5.1%、当社予想も5.1%)。
雇用者数は前年比0.3%と3ヵ月連続で増加したが、10月の同0.7%からは伸びが大きく鈍化した。自営業主・家族従業者の大幅な減少が続いたため、就業者数は前年比▲0.1%(10月:同0.2%)と3ヵ月ぶりに減少した。失業者数は318万人(前年比13万人の減少)となり、6ヵ月連続で前年の水準を下回った。
失業者の内訳を求職理由別に見ると、非自発的な離職による者が前年に比べ26万人の減少(うち勤め先都合が25万人減)となる一方、自己都合による者が2万人の増加となっている。雇用情勢は依然として厳しいが、失業の中身を見ると深刻度は若干緩和されていることがうかがえる。
雇用者数の内訳を産業別に見ると、製造業の雇用者数は前年に比べ▲12万人減(10月:6万人増)と3ヵ月ぶりに減少した。夏場以降の鉱工業生産の低迷が製造業の雇用に影響を及ぼしている可能性がある。本日公表された11月の鉱工業生産は持ち直しの動きが確認されたが、製造業の雇用はしばらく低迷が続くだろう。また、公共工事削減の影響などから建設業が前年に比べ▲30万人減と10ヵ月連続で減少し、10月の同▲19万人減から減少幅が拡大した。一方、医療・福祉は前年に比べ33万人の増加(10月:同41万人増)となり、引き続き雇用の下支え役となっている。
従業員規模別には、30人以上の規模では全て増加したが、1~29人の中小企業の雇用者数は前年に比べ▲35万人の減少(10月:同▲45万人減)となっており、明るさが見え始めた大企業に比べ中小企業では依然厳しい状況が続いている。
(2010年12月28日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1836
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
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