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- 雇用関連統計10年10月~失業率悪化も雇用情勢の持ち直しは継続
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■見出し
・失業率は4ヵ月ぶりに悪化
・有効求人倍率は緩やかな改善が続く
■introduction
総務省が11月30日に公表した労働力調査によると、10月の完全失業率は前月から0.1ポイント上昇し5.1%となった(共同通信集計・事前予想:5.0%、当社予想も5.0%)。
失業率は4ヵ月ぶりに悪化したが、内容的にはそれほど悪いものではない。雇用者数は前年比0.7%(9月:同0.7%増)、就業者数は前年比0.2%(9月:同0.2%)とともに2ヵ月連続で増加しており、失業者数は334万人(前年比10万人の減少)となり、5ヵ月連続で前年の水準を下回った。
失業者の内訳を求職理由別に見ると、非自発的な離職による者が前年に比べ16万人の減少(うち勤め先都合が15万人減)となる一方、自己都合による者が5万人の増加(9月は3万人減)となっている。失業者の減少幅は9月の23万人減から10万人減へと縮小したが、その多くは自己都合による失業者の増加によるものである。非自発的な離職による失業者が減少し、自己都合による失業が増加したことは、失業の中身の深刻度が若干緩和されていることを示したものと言える。
雇用者数の内訳を産業別に見ると、9月に1年8ヵ月ぶりに増加に転じた製造業の雇用者数は前年に比べ6万人増(9月:6万人増)と2ヵ月連続で増加した。ただし、夏場以降、鉱工業生産が悪化していることを踏まえると、先行きは再び減少に転じる可能性も否定できないだろう。また、公共工事削減の影響などから建設業が前年に比べ▲19万人減と9ヵ月連続で減少し、9月の同▲8万人減から減少幅が拡大した。一方、医療・福祉は前年に比べ41万人の増加(9月:同38万人増)となり、引き続き雇用の下支え役となっている。
従業員規模別には、100人以上の規模は増加したが、99人以下の規模は減少した。特に1~29人の中小企業の雇用者数は前年に比べ▲45万人の大幅減少となっており、明るさが見え始めた大企業に比べ中小企業では依然厳しい状況が続いている。
(2010年11月30日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1836
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
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