2010年11月01日

米7-9月期GDPは年率2.0%~住宅投資・純輸出が大幅減

土肥原 晋

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■見出し

・7-9月期GDP速報値は、前期比年率2.0%と前期を上回る:GDP速報値の概要
・需要項目別では、個人消費回復の半面、住宅投資の大幅減が目を引く展開:需要項目別の動向は以下の通り

■introduction

米商務省が10月29日に発表した7-9月期実質GDP(速報値)は、2.0%(前期比年率:以下も同じ)と前4-6月期の成長率同1.7%から上昇、直前の市場予想(同2.0%)に一致した。需要項目別では、個人消費は同2.6%に上昇、設備投資が同9.7%、在庫投資の寄与度が同1.44%とプラスに寄与する半面、住宅投資が同▲29.1%と急減し、純輸出の寄与度が同▲2.01%と大幅なマイナスが続くなど、GDPの押し下げ要因となった。
成長率が予想通りとなり、5四半期連続のプラス成長となったが、4-6月期の1.7%に続き、7-9月期も2.0%と低めの水準が続いたことにより、改めて回復力の弱さが示されたと言えよう。潜在成長率を下回る成長が続いており、雇用回復の遅れへの懸念も続こう。個人消費の持続的な回復や設備投資の堅調等の好ましい面が見られる反面、住宅投資が大幅なマイナスに転じ、輸出が伸び悩んだことや、政府支出の寄与度が同0.68%(4-6月期は同0.8%)と高く、これを除いた成長率では1%台前半が続くなど、依然政府部門の下支えによる成長が続いていることなど、懸念要因も多々指摘されよう。

(2010年11月01日「経済・金融フラッシュ」)

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