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- 5月米ISM指数~製造業・非製造業とも、堅調水準維持も伸び悩む
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■見出し
・製造業指数が59.7と60台を割り込む~非製造業指数は55.4で横ばい
・製造業では、高水準の受注・生産が雇用に波及か:各指数別内訳の動向
・非製造業各指数では、まちまちの動きながら、全般的な底上げが持続
■introduction
企業のセンチメントを示すISM(米供給管理協会)指数は、5月製造業指数(PMI)が59.7となり、2004年6月(60.5)以来の高水準だった4月(60.4)から▲0.7ポイント低下したが、市場予想値(59.0)は上回った。5月指数の内訳では、主要指数が総じて弱含みの動きをする中、雇用指数が59.8と前月より1.3ポイントの上昇となり、半面、在庫指数が45.6と前月より▲3.8ポイント低下したのが目を引いた。
PMIは、金融危機後の2008年12月に32.5と近年の最低水準を記録した後、昨年8月には製造業の拡大・縮小の分かれ目となる50台を回復、今回で50越えは10ヵ月連続となった。発表元のISMでは、過去のデータから見たPMIが示す経済全体の分かれ目(GDPのゼロ成長)は42.0であり、5月PMIは実質GDP年率6.0%に対応する高水準としている。
一方、5月の非製造業指数(NMI:注)は55.4と3ヵ月連続で同値となり、市場予想の55.6を若干下回った。ただし、5ヵ月連続で非製造業業況の分かれ目となる50を上回り、NMI発表以来の最高値である現水準を維持した。NMIは金融危機直後の2008年11月に37.2まで急低下後、昨年9月には50台を回復、本年3月以降、55台での推移を続けている。
ISM両指数(PMIとNMI)の比較では、金融危機後の落ち込みはPMIが大きかったものの、昨年7月以降は11ヵ月連続でPMIが上回っている。非製造業は、個人消費の抑制や住宅バブル崩壊、金融危機等の影響を受けやすいサービス業、金融、不動産・建設等で構成されているため、製造業の回復が先行した形となっている。もっとも、5月NMIは、前月と同水準ながら、事業活動指数は61.1と4ヵ月連続の上昇で4年ぶりの高水準を回復するなど、非製造業企業の業況も、製造業を追随する形ながら、改善を見せている。
(注:NMI(=Non-Manufacturing Index) は、2008年1月より非製造業指数の総合指数として発表開始。事業活動、新規受注、雇用、入荷遅延の各指数の均等ウェイトで構成される。なお、試算ベースでは5月NMIは2006年5月以来の高水準となる。)
(2010年06月04日「経済・金融フラッシュ」)
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