- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 中国経済 >
- 中国の成長基盤(1):「安価で豊富な労働力」の変身
2010年05月28日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
- 1978年改革開放以来の中国経済は、1980年代は9.3%、1990年代10.4%、2000年代10.4%と、1989年の天安門事件(六四)、1997年のアジア通貨危機、2008年の世界金融危機と大きなショックを乗り越え、高位で安定的な成長を遂げてきた。
- この高位で安定的な経済成長の基盤は、(1)安価で豊富な労働力の存在、(2)産業構造の高度化を促した「インフラ整備」、(3)海外市場で価格競争力を支えた割安な人民元レートに整理できる。この3つの内、本レポートは「安価で豊富な労働力」を分析している。
- 「安価で豊富な労働力」を分析すると、都市化と人口動態が「豊富」の背景であり、経済成長段階が低かったことが「安価」の背景であった。いずれの面を見ても当面は高位を続けるが、過去30年と比較するとその勢いは鈍化すると見られる。
- 一方、安価で豊富な労働者は、経済成長の継続に伴って、巨大な中間所得層へと変身し始めており、世界の消費地としての存在感は、今後益々高まると考えられる。
- リスクを考えると、国内消費が期待通りに増加しないケースと国内消費は増加しても国内産業がそれを捉えられないケースが想定できる。前者の示現確率は低いが、後者は知的財産権保護の成否がカギを握る。
(2010年05月28日「Weekly エコノミスト・レター」)
このレポートの関連カテゴリ
三尾 幸吉郎
三尾 幸吉郎のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2024/12/16 | 図表でみる世界のGDP-日本が置かれている現状と世界のトレンド | 三尾 幸吉郎 | 基礎研レター |
2024/07/30 | 図表でみる世界の人口ピラミッド | 三尾 幸吉郎 | 基礎研レター |
2024/04/05 | 不動産バブルの日中比較と中国経済の展望 | 三尾 幸吉郎 | 基礎研マンスリー |
2024/03/11 | Comparison of Real Estate Bubbles in China and Japan, and Prospects for the Chinese Economy | 三尾 幸吉郎 | 基礎研レポート |
新着記事
-
2025年03月14日
噴火による降灰への対策-雪とはまた違う対応 -
2025年03月14日
ロシアの物価状況(25年2月)-前年比で上昇が続き10%超に -
2025年03月14日
株式インデックス投資において割高・割安は気にするべきか-長期投資における判断基準について考える -
2025年03月13日
インド消費者物価(25年2月)~2月のCPI上昇率は半年ぶりの4%割れ -
2025年03月13日
行き先を探す“核の荷物”~高レベル放射性廃棄物の最終処分とエネルギー政策~
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
【中国の成長基盤(1):「安価で豊富な労働力」の変身】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
中国の成長基盤(1):「安価で豊富な労働力」の変身のレポート Topへ