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- 改善進む米ISM指数~製造業が59.6と2004年以来の高水準、非製造業も55.4と続伸
■見出し
・非製造業指数が4ヵ月連続の上昇を見せ、製造業指数を追随
・製造業各指数では、顧客在庫指数を除く全ての指数が55以上と堅調水準に:各指数別内訳の動向
・非製造業各指数では、事業活動・新規受注等、主要指数の上昇が目立つ
■introduction
企業のセンチメントを示すISM(米供給管理協会)指数は、3月製造業指数(PMI)が59.6と2月(56.5)から3.1ポイントの上昇、市場予想値(57.0)を上回り、2004年7月(59.9)以来の高水準となった。3月指数の内訳では、在庫指数が55.3と前月より8.0ポイントの上昇となり、PMI上昇に貢献が大きかった。
PMIは、2008年12月に32.5と近年の低水準を記録したが、その後、昨年8月には製造業の拡大・縮小の分かれ目となる50台を回復、今回で50越えは8ヵ月連続となり、60台に接近を見せる上昇となった。発表元のISMでは、過去のデータから見たPMIが示す経済全体の分かれ目(GDPのゼロ成長)は42.0であり、3月PMIは実質GDP年率5.9%に該当するとしている。
一方、3月の非製造業指数(NMI:注)は55.4と2月(53.0)から上昇、市場予想(54.0)を上回り、3ヵ月連続で非製造業業況の分かれ目となる50を上回った。NMIは金融危機後の2008年11月に37.2まで急低下、昨年9月には50台を回復、その後一進一退の動きを見せていたが、本年2・3月と連月でやや急な上昇を見せている。
ISM両指数(PMIとNMI)の推移を比較すると、2008年9月金融危機以降の落ち込みはPMIの方が大きかったものの、昨年7月以降は9ヵ月連続でPMIが上回るなど、製造業の改善が先行した形となっている。
非製造業の回復の遅れには、個人消費の抑制や住宅バブル崩壊、金融危機等の影響が、サービス業や金融、不動産・建設等に重石となっていることを窺わせる。しかし、3月指数では、事業活動指数や新規受注指数が急伸するなど非製造業での業況改善が大きく、製造業を追随する形となっており、企業の業況は、製造業・非製造業を問わず、全体的に大きく改善を見せた形である。
(注:NMI(=Non-Manufacturing Index) は、2008年1月より非製造業指数の総合指数として発表開始。事業活動、新規受注、雇用、入荷遅延の各指数の均等ウェイトで構成される。なお、換算ベースでは3月は2006年5月以来の最水準となる。)
(2010年04月06日「経済・金融フラッシュ」)
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土肥原 晋
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