- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 「2010年代」のスタート
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
2010年1月1日、「2010年代」が始まる。振り返れば、10年前の2000年1月1日はいわゆるコンピューター2000年問題の渦中であった。21世紀も同時に始まるのかと思ったら、それは2001年からだと言われて恥をかいた記憶がある。
世紀がXX01年から始まるとしても、十年間(ディケイド)の始まりはやはりXXX0年であろう。「80年代」「90年代」という括りは時代感覚にしっくりなじむ。90年代はやはりバブル崩壊後の「失われた10年」と総括できようし、まだ言い慣れない「2000年代」は「小泉」「反小泉」のせめぎ合いの中で、格差、うつ、ひきこもりといったいわば社会の歪みが表面化した時代であったと考える。
経済の面では、名目GDPが大雑把にいってほぼ横ばいであったのに対し、国債残高はこの20年で4倍弱に増加し(対名目GDP比では40%弱から150%に上昇)、一方で株価はおよそ1/4に落ち込んだ。
それでは2010年代はどのような時代になるのだろうか。はっきりしているのは、総人口が減少し、高齢化、シングル化が一層進行するということだ。前二者はよく語られるが、シングル化の進行もすさまじい。未婚率の上昇と離婚の増加により、2020年には40歳代の3人に1人が配偶者を持たずに暮らしていると想定される。もう1つ、2020年をターゲットに地球温暖化防止に向けた取組が世界的に行われることも間違いないだろう。
折しも、戦後初めての本格的な政権交代が実現し、民主党政権が誕生した。2010年代が民主党の時代になるのか、それとも自民党が復権するのか、あるいは第三の勢力が台頭するのかは知る由もないが、少なくとも今後数年は民主党政権が続くはずだ。デフレ、財政危機、少子化といった課題山積の中ではあるが、2010年代のグランドデザインを早く提示し、腰を据えて取り組んでほしいものである。
(2009年12月25日「基礎研マンスリー」)
明田 裕
明田 裕のレポート
新着記事
-
2025年03月17日
アンケート調査から読み解く物流施設利用の現状と方向性(2)~倉庫管理システムと冷蔵・冷凍機能を拡充。地震対策・電源確保と自動化が一層進む。従業員の健康配慮を重視。 -
2025年03月17日
男女別にみたシニア(50代後半~60代前半)の転職状況~厚生労働省「雇用動向調査」(2023年)より~ -
2025年03月14日
噴火による降灰への対策-雪とはまた違う対応 -
2025年03月14日
ロシアの物価状況(25年2月)-前年比で上昇が続き10%超に -
2025年03月14日
株式インデックス投資において割高・割安は気にするべきか-長期投資における判断基準について考える
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
【「2010年代」のスタート】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
「2010年代」のスタートのレポート Topへ