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■目次
1--------中国の環境対応の本格化
2--------日本の低炭素革命への挑戦
3--------変化の中に見える日本の成長ドライバー
■introduction
中国経済の変化というと、まず思い浮かぶのは鉄道、道路、住宅等のインフラの建設ラッシュであろう。実際、昨年11月に打ち出された4兆元(約53兆円)の景気対策の内訳を見ても7割以上がインフラ整備関連である。今年の固定資産投資(建設投資や設備投資の合計、都市部)は、前年同期比3割を超える大幅増加となっており、中国の経済成長を牽引している。
一方、建設ラッシュほど目立たぬものの、中国経済にはもうひとつの重要な変化がある。「世界の工場」として経済発展を遂げてきたマイナスの側面への対応、即ち公害・省エネ・環境対策の本格化である。中国政府は、資源多消費型の経済成長は資源の枯渇や価格高騰を招くため持続可能ではないとして、第11次5ケ年計画(2006年~2010年)では5年間で国内総生産(GDP)あたりのエネルギー消費量を20%削減することを目指している。前述の4兆元の景気対策でも、省エネ・汚染物質排出削減・生態環境
整備等に約5%の2100億元(約3兆円)が配分された。特に公害問題は住民の抗議が暴動に発展するケースが増え、中国政府も見過ごせなくなってきた。
また、この12月には、京都議定書後(2013年以降)の世界の温室効果ガスの排出量削減目標を決める第15回気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)がコペンハーゲンで開催される予定である。CO2排出量が世界の約2割に達する中国には、国際的にもプレッシャーがかかる。近々日本を抜き世界第2位の経済規模となるとみられる中国経済には、今後とも環境問題への積極的な取り組みを求める声が国際的に高まるだろう。
(2009年10月23日「基礎研マンスリー」)
三尾 幸吉郎
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