- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 金融・為替 >
- 金融市場・外国為替(通貨・相場) >
- 9月マネー動向:貸出市場の二極化に歯止めかからず、(参考)政府・日銀による金融支援策の現状
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
■見出し
・貸出動向: 伸び率はリーマン・ショック前の水準へ
・マネタリーベース: 13ヶ月連続の前年比プラス
・マネーストック: マネーの伸びは拡大、安全資産への資金流入が続く
■introduction
日銀の貸出・資金吸収動向等によると、9月の銀行総貸出(平残)の前年比伸び率は1.7%(前月は1.9%)と9ヶ月連続で伸び率が縮小した。同水準はリーマン・ショック以前の2008年5月以来の低い水準となる。景気低迷に伴って資金需要が低迷しているほか、CP・社債市場の機能が回復しており、貸出需要が頭打ちになってきているようだ。(図表1)
一方、以下のように、いたるところに二極化の状況が現れてきている点には注意が必要だ。
(1)(貸出残高)大企業向け残高が前年比で大きなプラスを維持している一方、中小企業向けについては長期にわたり前年比マイナス圏での推移が続いており、8月の平均残高(176.3兆円)は05年11月以来の低水準となった(図表2)。
(2)(資金繰りなど)日銀短観における資金繰り判断D.I.は大企業と中小企業の間に大きな格差があり、また貸出態度D.I.でも大企業が改善傾向にあるなか中小企業では殆ど改善が見られない(図表3,4)。
(3)(金融支援策)ここにきて、政府が実施してきた数々の金融支援策(下記「参考」ご参照)についても、大企業向けの社債・CP買取の打ち切りが日銀において検討されているという報道がある一方で、現在政府が中小企業の返済猶予制度を検討しているように、中小企業向けは強化の方向にある。大企業・中小企業をめぐる政策にも方向性の違いが出てきている。
(2009年10月13日「経済・金融フラッシュ」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1870
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
上野 剛志のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/04/18 | トランプ関税発の円高は止まるか?~マーケット・カルテ5月号 | 上野 剛志 | 基礎研マンスリー |
2025/04/11 | 貸出・マネタリー統計(25年3月)~貸出金利は上昇中だが、貸出残高は増勢を維持、現金・普通預金離れが進む | 上野 剛志 | 経済・金融フラッシュ |
2025/04/07 | トランプ関税と円相場の複雑な関係~今後の展開をどう見るか? | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/04/01 | 日銀短観(3月調査)~日銀の言う「オントラック」を裏付ける内容だが、トランプ関税の悪影響も混在 | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
新着記事
-
2025年04月22日
今週のレポート・コラムまとめ【4/15-4/21発行分】 -
2025年04月21日
日本国債市場は市場機能を回復したか-金融正常化における価格発見機能の構造変化 -
2025年04月21日
「都道府県人口減の未来図」-2024年都道府県20代人口流出率ランキング -
2025年04月18日
トランプ関税発の円高は止まるか?~マーケット・カルテ5月号 -
2025年04月18日
ECB政策理事会-トランプ関税を受け6会合連続の利下げ決定
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
【9月マネー動向:貸出市場の二極化に歯止めかからず、(参考)政府・日銀による金融支援策の現状】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
9月マネー動向:貸出市場の二極化に歯止めかからず、(参考)政府・日銀による金融支援策の現状のレポート Topへ