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- 米8月雇用減少幅の改善進むも、失業率は9.7%に悪化
■見出し
・8月の前月比雇用者数は21.6万人減に
・8月賃金上昇率は前年比2.6%に低下
・広義の失業率は16.8%に拡大~今後は雇用者減に加え、労働時間や賃金上昇率の低下による雇用者所得減が懸念材料に
■introduction
米労働省発表の8月雇用統計では、非農業事業部門の雇用者が前月比▲21.6万人と、前月(▲27.6万人)、市場予想(▲23万人)を上回る改善を見せた。しかし、過去2ヵ月に遡っての改定では、6月前月比が▲44.3万人→▲46.3万人へ、7月分が▲24.7万人→▲27.6万人へと合計▲4.9万人の下方修正となった。雇用者減少は、1月に▲74.1万人と1949年10月(▲83.4万人)以来の減少幅を見せたが、その後は6月を除き減少幅が縮小している。また、昨年9月金融危機以降の月平均雇用者減は▲48.5万人で累計では▲583万人、今回リセッション入り後、昨年1月以降の雇用者減は▲693万人と▲700万人に迫っている(図表1)。
8月の部門別の雇用減を見ると、サービス部門が前月比▲8.0万人と前月(▲15.4万人)からほぼ半減、建設業では同▲6.5万人と前月(▲7.3万人)から縮小した。一方、製造業では同▲6.3万人と前月(▲4.3万人)から7ヵ月ぶりに減少幅が拡大した。
製造業の雇用を業種別に見ると、前月に同3.1万人と大幅なプラスに転じた自動車で同▲1.5万人と減少したのが最大で、次に減少幅が大きかったのは機械の同▲0.8万人だった。
民間サービス部門の業種別では、教育・ヘルスケアで前月比5.2万人と増加したほかは、ほとんどの業種で減少が続き、金融・不動産同▲2.8万人、人材派遣やビル管理等を含む専門・事業サービスが同▲2.2万人、レジャー関連で同▲2.1万人、等の減少となった (末尾図表4参照)。
一方、8月の失業率は9.7%と前月(9.4%)から急上昇、市場予想の9.5%を上回った。失業率は、金融危機時(昨年9月)は6.2%だったが、その後の1年間で3.5%ポイントの上昇を見せ、8月は1983年6月(10.1%)以来、ほぼ26年ぶりの高水準となるなど、依然、二桁への上昇を見込む向きが多い。
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土肥原 晋
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