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■目次
1--------集まらない人材
2--------介護職処遇改善交付金の概要
3--------介護職が希望する給与水準
4--------職務の高度化による処遇改善の道
■introduction
「介護施設は建ったが、職員が集まらなくてオープンできない。」ここ数年、頻繁に聞かれる話である。社会的雇用情勢の悪化により介護職への関心は若干の高まりを見せているが、重労働で低賃金というイメージは、若い世代の就労意欲を遠ざけ、介護福祉士を養成する専門学校や大学の多くで定員割れの状況が続いている。
人材不足は介護システムの根幹に関わる問題であり、現在、その処遇改善を喫緊の課題と捉えた試行錯誤の取り組みが行われているところである。しかし、2009年度から引き上げられた3.0%の介護報酬改定も、干上がった現場には焼け石に水の状態であり、職員の処遇改善までにはなかなか結びつかない。
今回の改定は、単純に基本報酬全体が引き上げられたわけではなく、種々の要件を満たさなければ得ることのできない加算方式が中心となっている。要件を満たすためには新たな人材を雇ったり研修コストをかけたりと事業者の費用負担を伴うため、支出額が加算額を上回ってしまう場合も少なくないのである。サービス業態によって若干の違いはあるものの、プラス改定の恩恵に預かるためのハードルはかなり高いというのが現実である。
現在、これに続く第二弾の施策として準備しているのが「介護職処遇改善交付金」である。これは経済危機対策の一環で組まれた補正予算により、介護職の賃金を概ね1.5万円程度引き上げようとするものである。
(2009年08月26日「基礎研マンスリー」)
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