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- 米5月ISM指数は製造業・非製造業とも小幅上昇~水面下での回復傾向が持続
■見出し
・製造業指数は42.8、非製造業指数は44.0と続伸するも、50割れが続く
・製造業各指数では、新規受注指数が18ヵ月ぶりに50を上回る:指数別の内訳
・非製造業各指数は、全般低水準での推移にあり、改善の鈍さを示唆
■introduction
企業のセンチメントを示すISM(米供給管理協会)指数は、5月製造業指数(PMI)が42.8と、前月(40.1)、市場予想値(42.3)をともに上回った。これで、1980年6月(30.3)以来28年ぶりの低水準となった昨年12月の32.9をボトムに、5ヵ月連続の上昇となった。ボトムからの上昇は9.9ポイントとなるものの、依然、製造業の拡大・縮小の分かれ目となる50を16ヵ月連続で下回った水準にある。発表元のISMでは、過去のデータから見たPMIが示す経済全体の分かれ目(GDPのゼロ成長)は41.2であり、5月PMI(42.8)は、実質GDPの年率0.5%に対応するとしている。そのため、PMIとの関係では、8ヵ月ぶりに景気後退を脱した形となる。
また、5月の非製造業指数(NMI:注)は44.0と前月(43.7)から0.3ポイント上昇したが、市場予想(45.0)にはとどかなかった。NMIは9月金融危機後37.4(11月)まで低下、その後持ち直しているものの50割れは今回を含め8ヵ月連続となる。なお、事業活動指数は42.4と前月(45.2)から2.8ポイント低下、事業活動指数でみたサービス部門の景況感は悪化している。
最近のISM指数は、“フリーフォール”の状態を呈した昨年末から落ち着きを取り戻し、回復方向が窺われる。特に、製造業では、製造業指数を構成する中核的な新規受注・生産指数が大幅な回復(12月との比較ではそれぞれ+28.0、+19.7ポイント上昇)を見せており、5月新規受注指数は50を上回る水準へと回復した。今後は、受注回復が生産増に繋がるプロセスが注目される。
ただし、50にとどいたのは、製造業では受注指数のみ、非製造業では在庫センチメント、入荷遅延のみであり、全般的な指数の水準は低い。景気後退が続く中での、下落スピードの減速は窺われるものの、依然、厳しい状況が続いている。
中でも、雇用指数は製造業、非製造業とも30台に留まり、製造業では在庫指数に次いで低く、非製造業では最低値にある。一時の落ち込みからは回復しているものの、雇用の冷え込み持続が示されている。
(注:NMI(=Non-Manufacturing Index) は、2008年1月より非製造業指数の総合指数として発表を開始。事業活動、新規受注、雇用、入荷遅延の各指数の均等ウェイトで構成されている。)
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土肥原 晋
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