- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 知的障がい者の経済的自立を目指す取組 -障がい者が売れる商品を生み出すためのケーススタディ-
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
1
平成18年から施行された障害者自立支援法は、障がい者種別毎に分けられていたサービスを一体化するとともに障がい者が地域で生活することを支援することを目的としている。また、障がい者程度区分やサービスを利用した際の応益負担などが新たに取り入れられた。障がい者への新たな負担については各方面で議論となっているものの更正施設などで長期に暮らす障がい者を地域で自立して暮らせるように支援体制が作られたことは、障がい者福祉のあり方に大きな転換をもたらした。
2
障がい者が地域で自立して暮らすためには、生活を支えるサービスの充実と経済的な生活基盤作りが不可欠である。障がい者の生活費は障害基礎年金が原資となるが、自立した生活をする上では十分とは言えない。就労による収入が加われば、自立のための介護給付の利用の選択肢も広がり、自立のための基盤が整う。しかし、障がい者の就労は容易ではない。民間企業に課せられた法定雇用率は未だに達成されていない。
3
障がい者の就労が進まない背景に障がい者と仕事との関係に不整合がある。仕事が障がい者に合っていないことが多いのである。ある障がい者施設では、障がい者の状態に合わせて仕事構築するという取り組みで重度の障がい者が働ける環境を作っている。また、障がい者の仕事は下請け仕事が主流であり、高付加価値商品を生み出すための自主事業の取り組みは積極的に行われているものの十分な成果がまだ上がっていない。就労は障がい者の経済的自立に加え、精神的な自立、潜在的な可能性の発見につながるものである。小地域、小集団で障がい者の就労に取り組んだ事例から、就労困難と言われる知的障がい者、精神障がい者の就労を実現する方策が見えてきた。事例を紹介しながら障がい者の就労の可能を探る。
(2008年12月26日「ニッセイ基礎研所報」)
このレポートの関連カテゴリ
岸田 宏司
岸田 宏司のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2008/12/26 | 知的障がい者の経済的自立を目指す取組 -障がい者が売れる商品を生み出すためのケーススタディ- | 岸田 宏司 | ニッセイ基礎研所報 |
2005/09/25 | 中高年男性の定年に関する基礎研究II | 岸田 宏司 | ニッセイ基礎研所報 |
2003/12/01 | 「暮らしと生活設計に関する調査」 -(中高年男性を対象としたパネル調査)について | 岸田 宏司 | その他レポート |
2003/11/25 | 定年によるソーシャル・キャピタルの変化 -関係性再構築プロセスの検討- | 岸田 宏司 | ニッセイ基礎研所報 |
新着記事
-
2025年03月17日
アンケート調査から読み解く物流施設利用の現状と方向性(2)~倉庫管理システムと冷蔵・冷凍機能を拡充。地震対策・電源確保と自動化が一層進む。従業員の健康配慮を重視。 -
2025年03月17日
男女別にみたシニア(50代後半~60代前半)の転職状況~厚生労働省「雇用動向調査」(2023年)より~ -
2025年03月14日
噴火による降灰への対策-雪とはまた違う対応 -
2025年03月14日
ロシアの物価状況(25年2月)-前年比で上昇が続き10%超に -
2025年03月14日
株式インデックス投資において割高・割安は気にするべきか-長期投資における判断基準について考える
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
【知的障がい者の経済的自立を目指す取組 -障がい者が売れる商品を生み出すためのケーススタディ-】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
知的障がい者の経済的自立を目指す取組 -障がい者が売れる商品を生み出すためのケーススタディ-のレポート Topへ