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- 米10月雇用統計~雇用者数は24.0万人減、失業率は6.5%に
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■見出し
・雇用者数は10月の大幅減に加え、8月・9月分も大幅な下方修正
・10月賃金上昇率は前年比3.5%
・金融危機後は、雇用悪化が急速に進展
■introduction
米労働省発表の10月雇用統計では、非農業事業部門の雇用者が前月比▲24.0万人と、市場予想の20万人減を超える減少幅となった。また、過去2ヵ月に遡っての改定は、8月分が▲7.3万人→▲12.7万人へ、9月分が▲15.9万人→▲28.4万人へと合計▲17.9万人の大幅な下方修正が行われ、これにより年初から10月までの月平均雇用者減は▲11.8万人、累計では▲118万人となった。なお、9月の雇用減少幅は、2001年11月(▲29.2万人)以来7年ぶりの大きなものだった。
部門別の動きでは、サービス部門が前月比▲10.8万人と9月(▲20.1万人)ほどではないものの10万人を超える減少幅を見せた。サービス業の減少幅が20万人を超えることは極めて珍しく、9月の減少幅は1983年8月(▲41.2万人)以来25年ぶりとなる(図表1)。
また、製造業は前月比▲9.0万人と28ヵ月連続の減少、減少幅では2003年7月(▲9.2万人)以来5年ぶりの大きさとなる。建設業でも同▲4.9万人と16ヵ月連続の減少が続いた。サービス部門の減少は5ヵ月連続となるが、住宅産業を中心とした景気減速の影響が、幅広く産業全般に及んだ状況が窺える。
なお、サービス部門に含まれる政府雇用は2.3万人増(9月▲4.1万人)で、これを除く民間サービス部門は同▲13.1万人(9月▲16.0万人)の減少となり、民間雇用者全体では同▲26.3万人の減少と9月(▲24.3万人)を上回る減少となる。
製造業の雇用を業種別に見ると、輸送機器が同▲4.0万人と減少が大きかった。民間サービス業では、人材派遣(Employment services)の減少(同▲5.1万人)が大きく、小売業(同▲3.8万人)、金融・不動産(同▲2.4万人)、レジャー関連(同▲1.6万人)等の減少も目立った。なお、増加したのはヘルスケア(同2.6万人増)など一部の業種に限られた (末尾図表4参照)。
一方、10月の失業率は6.5%と前月(6.1%)、市場予想(6.3%)を上回り、一段の上昇を見せた。失業率は、1年前(4.8%)との比較では1.7%ポイントの急上昇となり、また、同水準は1994年3月(6.5%)以来14年ぶりの高水準となる。
(2008年11月10日「経済・金融フラッシュ」)
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