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総務省発行の「平成20年版 情報通信白書」によれば、インターネットの人口普及率は平成19年末時点で69.0%と推定されている。
これに対し、同じく総務省の「平成18年 社会生活基本調査」から年齢階層別の利用率をみると、15~20歳代では約9割、30~40歳代前半では8割、40歳代後半でも7割が日常的に利用しているなど、世代間で利用状況に格差が生じている様がみてとれる。現役世代という観点でみると、60歳代前半では3割台に落ちるものの50歳代後半でも半数近くに及んでおり、利用率が15%程度にとどまる65歳以上の世代に比べ、インターネットが日常生活に広く浸透していることがわかる。
では、消費者はインターネットをどのような情報機器を通じて利用しているのだろうか。同調査の中からインターネットを利用する機器別の利用率をみると、パソコンからの利用は20~30歳代でも6割に満たず、ほとんどの年齢層で、携帯・PHSからの利用がパソコンからの利用を上回っていることがわかる。特に15~20歳代では10~20ポイントと利用率に大きな較差が生じている。このことは、消費者とのコミュニケーションにおいて企業のパソコン向けウェブサイトでは十分に機能しているとはいえず、むしろ付加的な位置づけとされてきた携帯向けサイトこそが、チャネルとして重要であることを意味しているといえないだろうか。
メールや動画の閲覧等の用途や、移動中、職場や家庭といった利用時のシチュエーションにより、情報機器を使い分けていることも考えられるため、一概にはいえないものの、インターネットを通じた消費者コミュニケーションを図る上で、携帯・PHSを通じた情報・サービス提供について真剣に考えていく必要性はますます高まっていくものと考えられる。
(2008年10月24日「基礎研マンスリー」)
井上 智紀
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