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- 7年後の耐震化率90%
2006年の改正耐震改修促進法により、都道府県に策定が義務付けられた耐震改修促進計画は、2007年度末までに47都道府県で策定が完了した。現在、市区町村による策定が進められているところであるが、この間にも、新潟県中越沖地震などで住宅被害が発生している。
耐震改修促進計画では、その地域で発生する可能性がある地震被害を想定し、建物の倒壊による死傷者数を低減させることを目標に、計画期限における耐震化率の目標を定めている。
耐震化率とは、総住宅数に占める耐震性がある住宅の割合のことで、耐震性があるかどうかは、構造躯体が1981年に定められた耐震基準を満たしているかどうかによる。したがって、1981年以前に建てられた住宅は耐震診断を行い、耐震性がない場合は耐震改修か建て替えが必要になる。
47都道府県の耐震改修促進計画における現状の耐震化率をみると、都道府県により違いはあるが、多くが60~70%台となっている。ただし、耐震性のない住宅数は東京都や大阪府など大都市圏で特に多くなっている。
大都市圏は総住宅数が多いことから耐震性のない住宅も多いのだが、大都市圏に集中している木造住宅密集市街地を考慮しなければならない。ここでは権利関係が輻輳し、高齢化率も高いことから、耐震改修や建て替えをより一層困難にしている現状がある。しかし、大地震が発生すれば最も被害が大きくなる可能性が高い地域である。
国は現状の耐震化率75%を2015年までに90%にする目標を掲げており、都道府県の目標も概ね90%前後となっているが、目標を達成するためには耐震改修や建て替えの実施スピードをこれまでの2~3倍に高める必要がある。
耐震改修費助成や耐震改修促進税制などが拡充・創設されたことにより、今後、耐震化率は確実に向上すると期待できるが、それでもなお高い目標といえよう。特に木造住宅密集市街地においては大きなチャレンジになる。
しかし、震災による犠牲者を一人でも無くすためには何としても達成しなければならない目標であり、これにより次の目標になるであろう、耐震化率100%に繋げることができる。

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