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- 米8月ISM指数~製造業指数が50を割り込む
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■見出し
・製造業指数が49.9に低下の半面、非製造業では50.6と回復
・製造業各指数では、顧客在庫指数上昇の半面、価格指数が急低下:各指数の内訳
・非製造業の内訳では、価格指数が急落、雇用指数が低調な推移
■introduction
企業のセンチメントを示すISM(米供給管理協会)指数は、8月製造業指数(PMI)が49.9と前月・市場予想値(ともに50.0)を下回った。製造業の拡大・縮小の分かれ目とされる50を下回ったのは、本年5月(49.6)以来3ヵ月ぶりとなるが、最近4ヵ月間は50を挟んで計0.6ポイントの狭いレンジの上下に留まるなど、ほぼ横ばいの推移にある。もっとも、各指数の動きは活発で、8月は価格指数が原油価格等の下落を受けて大幅な低下(前月比▲11.5ポイント)、入荷遅延指数も急低下した(同▲4.8)。業種別では、8月に上昇を見せたのは5業種で、コンピュータ・電子機器、製紙、化学等、悪化を見せたのは7業種で、輸送機器、機械、家具等だった。
一方、8月の非製造業指数(NMI:注)は50.6と7月(49.5)から1.1ポイントの上昇、市場予想(49.5)を上回り3ヵ月ぶりに50台を回復した。また、昨年まで非製造業の景況感を示す指数とされていた事業活動指数も51.6と前月(49.6)から回復、NMI同様3ヵ月ぶりに50台を回復した。事業活動指数は、1月に41.9とテロ事件直後の2001年10月(40.5)以来の低水準に落ち込んだが、2月以降50前後での推移を続けている。
以上のように、8月ISM指数は、製造業では50を割り込む一方、非製造業では50を回復し、明暗を分けた形となったが、両指数とも、最近は50前後での推移を続けていることを考慮すると、方向感が定まらず、停滞気味の業況を示唆していると受け止められよう。なお、両業種の共通点としては、受注・雇用等の主要指数が50割れの推移を見せ、価格指数が6月をピークに下落をしていること、相違点としては、製造業の輸出指数が堅調推移にある半面、非製造業では輸出指数が低調で在庫指数が高めの推移を続けている点、等が挙げられる。
(注:NMI(=Non-Manufacturing Index) は、本年1月より非製造業指数の総合指数として発表を開始。事業活動、新規受注、雇用、入荷遅延の各指数の均等ウェイトで構成されている。)
(2008年09月05日「経済・金融フラッシュ」)
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