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- 米6月ISM指数:製造業が50超の半面、非製造業は50割れに
■見出し
・製造業指数が50.2と回復の半面、非製造業は3ヵ月ぶりに50を割り込む
・製造業各指数では、在庫・価格指数上昇の半面、雇用がさらに低下:各指数の内訳
・非製造業の内訳では、価格指数が最高値の半面、雇用指数が最低値を更新
■introduction
企業のセンチメントを示すISM(米供給管理協会)指数は、6月製造業指数(PMI)が50.2と、前月(49.6)、市場予想(48.5)をともに上回った。製造業の拡大・縮小の分かれ目とされる50を上回ったのは、本年1月(50.7)以来5ヵ月ぶりのこととなる。自動車産業等で悪化が深まる中での上昇であり、輸出産業等を中心に比較的堅調推移にある業種も多いことを示した形だ。ただし、指数の内訳を見ると、在庫指数が全体を押し上げており、景気先行的な受注指数が低下、全体の温度差を図る雇用指数が5年ぶりの低水準に落ち込むなど、実態は芳しくない。業種別で6月に上昇を見せたのは9業種で、コンピュータ・電子機器、石油製品等、食品・飲料等、化学、金属素材等を含み、悪化を見せたのは電気製品・部品、輸送機器、機械、衣料品等だった。
一方、5月の非製造業指数(NMI:注)は48.2と5月(51.7)から▲3.5ポイントの大幅下落となり、市場予想(51.0)を下回り3ヵ月ぶりに50を割り込んだ。また、これまで非製造業の景況感を示す指数とされていた事業活動指数も49.9と前月(53.6)からの低下が大きく、こちらは5ヵ月ぶりに50を下回った。事業活動指数は、1月に41.9とテロ事件直後の2001年10月(40.5)以来の低水準に落ち込んだが、2月以降50台を回復していた。
以上のように、6月ISM指数は、製造業では50を回復する一方、非製造業では、50を割り込むなど、明暗を分けた形である。しかし、製造業の上昇は在庫指数上昇によるところが大きく、また、新規受注の停滞、雇用指数の悪化、仕入れ価格の急騰等の動きは両業種で共通するなど、全体としては、製造業から非製造業へと景気減速の広がりを窺わせるものと言えそうだ。
(注:NMI(Non-Manufacturing Index)は、本年1月より非製造業指数の総合指数として発表を開始。事業活動、新規受注、雇用、入荷遅延の各指数の均等ウェイトで構成されている。)
(2008年07月04日「経済・金融フラッシュ」)
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土肥原 晋
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