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- 雇用・賃金統計08年3月~雇用者数が2ヵ月連続で減少
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■見出し
・2ヵ月連続で雇用者数が減少
・実質賃金の伸びはマイナスに
■introduction
総務省が4月30日に公表した労働力調査によると、3月の完全失業率は前月から0.1ポイント改善し3.8%となった(ロイター事前予想:3.9%、当社予想は3.8%)。
雇用者数が前年比▲0.1%(2月:同▲0.3%)と2ヵ月連続の減少となり、自営業主・家族従業者を含めた就業者数も前年比▲0.2%(2月:同▲0.2%)と2ヵ月連続の減少となった。
失業者は前年に比べ13万人減となり、2月の4万人減から減少幅が拡大したが、これは非労働力化の進展により失業者の増加が抑えられている面がある。労働力率(15歳以上人口に占める労働力人口の割合)は、59.8%と前年よりも0.3ポイントの低下となった。雇用情勢の悪化に伴い求職活動をあきらめ、労働市場から退出した人が増えている可能性を示唆している。
失業率は若干改善したが、非労働力化が進む中、労働需給を反映しやすい雇用者数が2ヵ月連続で減少しているため、3月の結果は表面的な数字が示すよりも悪い内容と言える。
雇用者数の内訳を従業員規模別に見ると、29人以下の中小企業は7ヵ月連続で減少となった。原材料高に伴う収益環境の悪化などから、中小企業の雇用情勢は厳しい状況が続いている。産業別には、年明け以降の生産活動の停滞を反映し、製造業が3ヵ月連続で減少となり、建築基準法改正に伴う住宅着工の落ち込みの影響で、建設業の雇用は07年12月以降減少が続いている。
厚生労働省が4月30日に公表した一般職業紹介状況によると、3月の有効求人倍率は前月から0.02ポイント低下し0.95倍となった(ロイター事前予想:0.96倍、当社予想は0.97倍)。
有効求人数は前年比▲14.6%と2月の同▲11.0%から減少幅が拡大した。有効求人倍率の先行指標である新規求人倍率は1.25倍と、前月から0.15ポイントの急低下となっているため、有効求人倍率の低下傾向は今後も続く可能性が高い。
(2008年05月01日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1836
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
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