2008年04月23日

貿易統計08年3月～アジア向け輸出が急減速

経済研究部 経済調査部長 斎藤 太郎

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■見出し

・貿易収支は2ヵ月ぶりに悪化
・アジア向け輸出が急減速
・外需は10-12月期に続き1-3月期も成長率を大きく押し上げ

■introduction

財務省が4月23日に公表した貿易統計によると、3月の貿易黒字は11,186億円（前年比▲30.2％）となり、市場予想（ロイター集計：14,000億円、当社予想は11,552億円）を大きく下回った。輸出の伸びが大きく鈍化する一方、原油高の影響で輸入が2ヵ月連続で前年比二桁の伸びとなったため、貿易収支は2ヵ月ぶりに前年よりも悪化した。
円高の影響で、輸出価格が前年比▲2.7％（2月：同▲5.2％）と7ヵ月連続でマイナスとなる中、輸出数量の伸びが前年比5.2％（2月：同14.7％）と急速に鈍化したため、輸出金額は前年比2.3％となった（2月：同8.7％）。
原油高の影響などから輸入価格が前年比10.6％（2月：同14.6％）と6ヵ月連続で二桁の伸びとなり、輸入数量が前年比0.5％（2月：同▲3.9％）と10ヵ月ぶりに増加に転じたため、輸入金額は前年比11.1％（2月：同10.2％）となった。なお、中国製冷凍ギョーザの中毒事件の影響から、中国からの食料品輸入は前年比▲32.2％と2月の同▲28.0％に続き大幅減少となった。

(2008年04月23日「経済・金融フラッシュ」)

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経済研究部   経済調査部長

斎藤 太郎 (さいとう たろう)

研究・専門分野
日本経済、雇用

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経歴
  • ・ 1992年：日本生命保険相互会社
    ・ 1996年：ニッセイ基礎研究所へ
    ・ 2019年8月より現職

    ・ 2010年　拓殖大学非常勤講師（日本経済論）
    ・ 2012年～　神奈川大学非常勤講師（日本経済論）
    ・ 2018年～　統計委員会専門委員

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