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- 米8月ISM指数に見る信用収縮の企業部門への影響は限定的
■見出し
・8月ISM指数は製造業が続落、非製造業では横這いに
・ISM製造業指数では、生産・雇用指数が改善
・非製造業では、新規受注改善の一方、雇用指数が低下
■introduction
企業のセンチメントを示すISM指数は、9月4日発表の8月製造業指数が52.9と、2ヵ月連続での低下(7月は53.8)となり、市場予想(53.0)をやや下回った。同指数は本年1月に49.3と製造業の景気の分かれ目とされる50を下回ったものの、その後6月には56.0まで回復し、再び低下の動きとなっている。ただし、2月以降は7ヵ月連続で50を上回っており、引き続き製造業拡大の持続が示された形である。
一方、6日に発表された8月のISM非製造業事業活動指数は55.8と7月と同値となり、市場予想(54.5)を上回った。7月の低下が大きかったこともあって(60.7→55.8)、8月は同水準を維持しており、また、最近のボトムである3月52.4には余裕を残している。
ただし、後述のように事業活動指数以外の非製造業部門の各指数の入り繰りは比較的大きく、特に雇用指数が50を割り込んだのが気懸かりである。5日発表のFRBベージュブックでは雇用の増加が報告されていただけに、本日(7日)発表の雇用統計が待たれる。
なお、18日開催のFOMCに向け、8月の金融市場の混乱を受けた実体経済への波及が注目されている。今回のISM指数は、そうした状況を反映し、最初に発表される主要指標の一つであることから市場の注目度が高かったが、今のところ企業部門全体への波及はそれほど大きくないと受け止められている。
(2007年09月07日「経済・金融フラッシュ」)
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土肥原 晋
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