2007年07月06日

7月BOE金融政策委員会~25bpの利上げを決定

経済研究部 常務理事 伊藤 さゆり

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■見出し

・政策金利は5.75%に変更
・価格転嫁意欲の高まりへの対応が主目的
・もう一段の追加利上げの可能性も

■introduction

7月4日、5日に開催されたイングランド銀行(以下、BOE)の金融政策委員会(以下、MPC)は25bp利上げを決定、即日実施した。政策金利は5.75%と、およそ6年ぶりの高水準に達した。
MPCの金融政策の変更は、四半期に1度の「インフレーション・レポート」の公表月(2月、5月、8月、11月)に行われるケースが多いが、今回のMPCでの利上げの可能性は事前の段階でかなり高まっていた。強めの指標が続いたことに加え、6月のMPCが、据え置き5票に対し、25bpの利上げがキング総裁を含む4票と僅差であったことが先月20日の議事録の公開で明らかになっていたこと、先月28日に行われたキング総裁とMPCの委員2名の議会証言でも、インフレ警戒の姿勢が確認されていた(注)からである。
(注)キング総裁は、マネーと信用の伸びの速さと企業の価格転嫁意欲が高まっていることを警戒していると述べた。ビーン、バーカー両委員は、向こう3年間の主要なリスクとして期待インフレ率の高まりと素原材料等の価格上昇という物価上振れリスクに言及した。

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経済研究部   常務理事

伊藤 さゆり (いとう さゆり)

研究・専門分野
欧州の政策、国際経済・金融

経歴
  • ・ 1987年 日本興業銀行入行
    ・ 2001年 ニッセイ基礎研究所入社
    ・ 2023年7月から現職

    ・ 2011~2012年度 二松学舎大学非常勤講師
    ・ 2011~2013年度 獨協大学非常勤講師
    ・ 2015年度~ 早稲田大学商学学術院非常勤講師
    ・ 2017年度~ 日本EU学会理事
    ・ 2017年度~ 日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
    ・ 2020~2022年度 日本国際フォーラム「米中覇権競争とインド太平洋地経学」、
               「欧州政策パネル」メンバー
    ・ 2022年度~ Discuss Japan編集委員
    ・ 2023年11月~ ジェトロ情報媒体に対する外部評価委員会委員
    ・ 2023年11月~ 経済産業省 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 委員

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