- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 日本経済 >
- 景気判断を惑わすGDP統計の季節調整
2005年03月25日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
- GDP統計に関する問題点のひとつは、直近だけでなく前期までの成長率が過去に遡ってかなりの幅で改定されることである。このことが、GDP統計を用いて景気判断を行う上で大きな障害となっている。
- 過去の成長率が大幅に改定されてしまうのは、季節調整を毎回かけ直すというGDP統計特有の季節調整方法のため、その度に過去の季節パターンが変化してしまう影響が大きい。季節パターンが不安定となっているのは、現行方式、連鎖方式で作成されているGDPの系列が94年以降に限られているため、季節調整期間が94年1-3月期以降と短いことが一因と考えられる。
- 93年以前の系列についての遡及推計を速やかに行い、季節調整期間を延ばすことが必要である。これにより安定的な季節調整モデルが確保されれば、GDP速報値の景気判断指標としての有用性が高まることにもつながるだろう。
(2005年03月25日「Weekly エコノミスト・レター」)
このレポートの関連カテゴリ
03-3512-1836
経歴
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
斎藤 太郎のレポート
| 日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
|---|---|---|---|
| 2025/10/31 | 2025年7-9月期の実質GDP~前期比▲0.7%(年率▲2.7%)を予測~ | 斎藤 太郎 | Weekly エコノミスト・レター |
| 2025/10/31 | 鉱工業生産25年9月-7-9月期の生産は2四半期ぶりの減少も、均してみれば横ばいで推移 | 斎藤 太郎 | 経済・金融フラッシュ |
| 2025/10/31 | 雇用関連統計25年9月-女性の正規雇用比率が50%に近づく | 斎藤 太郎 | 経済・金融フラッシュ |
| 2025/10/30 | 潜在成長率は変えられる-日本経済の本当の可能性 | 斎藤 太郎 | 基礎研レポート |
新着記事
-
2025年11月10日
「推し」とは何なのか(1)-「推し選」に対して思うこと -
2025年11月10日
グローバル株式市場動向(2025年10月)-米主要テック企業の好業績などから上昇が継続 -
2025年11月10日
米関税政策がもたらすインフレ圧力-9月CPIにみる足元の動向とリスク要因 -
2025年11月10日
中国の物価関連統計(25年10月)~コアCPIの上昇率が引き続き拡大 -
2025年11月10日
ブラックフライデーとEコマース~“選ばない買い物”の広がり-データで読み解く暮らしの風景
お知らせ
-
2025年07月01日
News Release
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
【景気判断を惑わすGDP統計の季節調整】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
景気判断を惑わすGDP統計の季節調整のレポート Topへ











